ロールス・ロイス、中国で競争に直面 紅旗(ホンチー)が高級車リーダーへ虎視眈々
公開 : 2019.11.15 16:50
厳しい戦いであることは承知
テイラーは、欧州や中東で高級車市場を戦うことの難しさもわかっている。他のプレミアムブランドが、長いこと幅をきかせているからだ。
「『中国のロールス・ロイス』を中国の外で売ろうとすることは、常に厳しい挑戦になります。なんと言ってもロールス・ロイスには、114年に渡って受け継がれているものがありますからね。しかもそれは、時間を追うごとに大きく強く育てられてきているわけです」
「中国国外で、しっかりとブランド力を付けるやり方を考えなければなりません。それには時間がかかりますね」と話したテイラーは、それでもチャンスは大きいと考えているようだった。
最後にテイラーは、こう言って締めくくった。
「紅旗は新たな一歩を踏み出しています。一方で、時折、伝統の壁に阻まれることもあるでしょう。高級車ブランドを中国から発信するということは、ポジティブでありネガティブなことなんですよ」
ロールス・ロイスのデザイン責任者の旅立ち
テイラーの後釜として3月にやって来たヨゼフ・カバンは、わずか半年でロールス・ロイスのデザイン責任者の職を辞した。詳細は明らかになっていない。彼は、「よそで利益を追求するために」会社を離れたという。
カバンがBMWグループ入りしたのは2017年。以降BMWブランドを専門に、デザインチーフのアドリアン・ファン・ホーイドンクのもとで働いていた。
スロバキア人であるカバンは、フォルクスワーゲングループで長くキャリアを積んできた人物だ。彼はブガッティ・ヴェイロンのエクステリアデザインを手がけたこともある。