驚きの出自 そのエンジンはどこから? モデルとの意外な組合せ16選 前編
公開 : 2019.11.24 16:13 更新 : 2021.03.05 21:43
よく知られているにもかかわらず、意外な出自を持つエンジンを積んだモデルをご紹介します。パフォーマンスを理由に選ばれたケースから、時代の流れがそうさせたような例まで、改めて調べてみると、自動車世界の複雑さを感じないわけにはいきません。
もくじ
ー思いがけない組み合わせ
ーアリエル+ホンダ
ーベントレー・アルナージ+BMW V8
ーシトロエンSM+マセラティ
ーデロリアン+ルノーPRV6
ーデ・トマソ・パンテーラ+フォード
ーランドローバー・ディフェンダー+フォード
ーロータス・エラン+いすゞ
ーロータス・エリーゼ+ローバー
思いがけない組み合わせ
誰もが知る存在であるにもかかわらず、誰も知らない出自を持つエンジンを搭載したモデルをご紹介しよう。
あるモデルに相応しいエンジンを探し出すのに自前主義に拘る必要などないのであり、実際、驚くべき出自を持つエンジンを搭載したモデルというのは、それほど珍しい存在ではない。
今回ご紹介するのは、思いがけない組み合わせから生み出された最高のモデルたちと、残念ながら失敗に終わったケースであり、登場はアルファベット順だ。
アリエル+ホンダ
当初アリエル・アトムには、予算に合わせて122psから193psのパワーが選択可能なローバーKシリーズエンジンが搭載されていた。
そう、ホンダ製エンジンを搭載することでアトム2が話題をさらったのは2003年以降の話であり、このフレームだけのスポーツカーとホンダ製エンジンの組み合わせは、多くのひとびとの財布の紐を緩ませることとなった。
ホンダ製K20Aユニットは6速マニュアルギアボックスと組み合わされており、スタンダードスペックのパワーは162psに留まっていたものの、304psまでのパワーアップも可能だった。
2007年には249psへとパワーを高めたスーパーチャージャーバージョンが登場しており、2018年にはシビック・タイプRの325psを発揮する2.0Lターボへと変更されている。
しかし、車重わずか670kgのオールテレインマシンであるノマドに対しては、249psのパワーに留まるホンダ製エンジンを選択している。
ベントレー・アルナージ+BMW V8
困難な交渉の結果、ロールス・ロイスがBMWグループ入りする一方、ベントレーがフォルクスワーゲン傘下に収まると、フォルクスワーゲングループのベントレーにBMW製エンジンが積まれるという状況が生まれることとなった。
この奇妙な状況下、いまではフォルクスワーゲンが運営するクルー工場へと生産が残された初期のアルナージには4.4LツインターボV8が、姉妹モデルだったロールス・ロイス・シルバーセラフには5.4Lの排気量を持つBMW製V12エンジンが搭載されている
その後、フォルクスワーゲンはBMW製エンジンに替えて、且つてベントレーで使われていた太古の6.75L V8エンジンを搭載したものの、あまり大きな声では言えないが、軽量なBMW製エンジンを積んだモデルのほうが走りは上だった。
それでも、355psのパワーで241km/hという最高速を誇った初期のアルナージは、ベントレーファミリーのなかでは異端児と見做されている。