驚きの出自 そのエンジンはどこから? モデルとの意外な組合せ16選 前編
公開 : 2019.11.24 16:13 更新 : 2021.03.05 21:43
ランドローバー・ディフェンダー+フォード
2007年、当時ランドローバー・ディフェンダーが積んでいたTd5ターボディーゼルは排ガス規制に合格できなくなっていたため、新たなパワープラントとして白羽の矢が立ったのがフォード・トランジットの2.4Lコモンレールディーゼルだった。このエンジンはフォードではデュラトルクとして知られていた。
ランドローバーではピューマエンジンと呼ばれており、旧態全としたディフェンダーにテクノロジーと洗練性の両面で大きな進歩をもたらすことに成功している。
豊かな低速トルクを持つピューマエンジンは、オフロードや牽引に最適だっただけでなく、ゆっくりと走らせれば、ディフェンダーの燃費を10km/L程度にまで伸ばすことも可能だった。
さらに、新たな6速マニュアルギアボックスも採用され、2012年に2.4Lに替えて改良版2.2Lエンジンが登場すると、2016年にディフェンダーがその生涯を終えるまで、このクルマのエンジンベイに納まり続けていた。
ロータス・エラン+いすゞ
ロータス・エランM100の開発はトヨタ製エンジンとともに始まったが、ロータスがGMに買収されたことで、そのエンジンはGM製へと変更されている。
当時GM傘下にあったいすゞが1588ccエンジンでこの計画に加わると、ロータスではエランに相応しいエンジンにするべく改良を加えており、その結果がエントリーモデル向けとして134psを発揮する自然吸気エンジンと、164psを発揮するターボバージョンだった。
どちらのエンジンを選んでも、新型エランは5速マニュアルギアボックスを介してフロントを駆動していた。
ターボモデルでさえ0-97km/h加速6.5秒、最高速220km/hに留まっていたが、そのハンドリングは史上最高のフロント駆動モデルと評価されている。
だが、ハンドリングに対する高い評価も売上に貢献することはなく、このいすゞエンジンを搭載したエランは4555台が送り出されたあとその生涯を終えている。
その後、キア・エランとして復活するものの、そのエンジンとハンドリングはまったく別物だった。
ロータス・エリーゼ+ローバー
少量生産のスポーツカーメーカーとして、ロータスは長くエンジンを他社から調達してきたのであり、初代エリーゼも例外ではなかった。
それでも、ロータスが軽量なロードスター向けというよりは、平凡なハッチバックにお似合いだと思われていたローバーKシリーズエンジンを選択したことには、少なくないひとびとが驚かされている。
だが、120psを発揮して5.5秒で97km/hまで加速させるベーシックな仕様であっても、このアルミニウム製Kシリーズはエリーゼにとって理想的なエンジンであることを自ら証明している。
ロータスではすぐにより高いパフォーマンスを発揮するKシリーズエンジンを、エリーゼとその姉妹モデルであるエキシージ・クーペのためにラインナップしており、137psと145ps、162ps、さらには193psのパワーを選択することができた。
すべてのモデルで、このエンジンの軽量さこそがエリーゼの見事なハンドリングの秘密であり、いまではヘッドガスケットの問題も改良されたパーツのお陰で心配するには及ばない。