驚きの出自 そのエンジンはどこから? モデルとの意外な組合せ16選 後編
公開 : 2019.11.24 19:50 更新 : 2021.03.05 21:35
よく知られているにもかかわらず、意外な出自を持つエンジンを積んだモデルをご紹介します。パフォーマンスを理由に選ばれたケースから、時代の流れがそうさせたような例まで、改めて調べてみると、自動車世界の複雑さを感じないわけにはいきません。
もくじ
ーマクラーレンF1+BMW
ーミニ+プジョー
ーパガーニ+AMG
ーレンジローバー P38A+BMW
ーサーブ99+トライアンフ
ーサンヨン・ムッソー+メルセデス・ベンツ
ートヨタGT86+スバル
ーボルボ360+ルノー
マクラーレンF1+BMW
マクラーレンF1のデザイナー、ゴードン・マーレーは、その究極のスーパーカー向けエンジンに関してF1時代の伝手を利用することにし、BMWに専用設計のV12エンジン製作を依頼している。
当初、リッター当り101psを発揮する6.0Lエンジンというのが要求仕様だった。
BMWではこの要求に忠実に応えたわけではなかったが、その替わりにリッター当り105psを発揮する6.1Lの48バルブV12エンジンを創り出している。任務完了だ。
当時マクラーレンF1チームはホンダとタッグを組んでおり、BMW製エンジンの採用というのは大胆な決断だった。
それでも、10年以上後にブガッティ・ヴェイロンが登場するまで、F1はスーパーカーのパフォーマンスにおけるベンチマークであり続けたのだから、その決断は報われたと言えるだろう。
ミニ+プジョー
BMWがこの「新型」ミニにどれほど英国風味を与えようとしているかを考えると、2006年に登場した2代目がプジョー由来のエンジンを採用したことは皮肉な結果と言えるかも知れない。
1.4Lと1.6LでそれぞれN14とN18と呼ばれたこのエンジンは、当時のプジョー208やその他PSAモデルが搭載していたものと同じだった。
BMWでは英国流の信頼性を与えるべく、ハムズホールにある工場でこのエンジン生産を行っている。
クーパーS向けにターボバージョンを登場させる一方、2011年からはBMW 116iと118iもこのフランス製ユニットを採用していた。
パガーニ+AMG
安価に巨大なパワーを手に入れる方法として、イタリアのスーパーカーメーカーでは自社設計か、さもなければ米国にその調達を頼ってきた。
だが、パガーニは米国ではなくドイツに目を向け、初のモデル、ゾンダC12にAMG製エンジンを選択したのであり、このパートナーシップは20年を経ても依然として緊密な状態を保っている。
C12の開発には6年の歳月が必要だったが、メルセデスがこの計画に加わったのは1994年のことであり、このエンジンがゾンダと、スーパーカーメーカーとしてのパガーニ誕生に大きな役割を果たしている。
AMGがチューニングを手掛けた444bhpを発揮する6.0L V12エンジンは5速マニュアルギアボックスと組み合わされ、C12を4.0秒で97km/hまで加速させるとともに、最高速は185mphに達していた。
後にはさらに排気量を拡大することで、さらなるパフォーマンスを手に入れている。