驚きの出自 そのエンジンはどこから? モデルとの意外な組合せ16選 後編
公開 : 2019.11.24 19:50 更新 : 2021.03.05 21:35
トヨタGT86+スバル
トヨタGT86(日本名:86)とその姉妹モデルであるスバルBRZの誕生までには、多くの議論と検討が行われている。
トヨタがスバル株を購入していたものの、当初スバルのエンジニアたちはこのスポーツカープロジェクトに懐疑的だったと言う。
それでも彼らはこの計画に引きこまれ、スバルお得意の水平対向4気筒エンジン開発に手を貸すこととなった。
スバルではFA20、トヨタでは4U-GSEと呼ばれるこの2.0Lユニットでは、スバル製パフォーマンスモデルではお決まりのターボ過給ではなく自然吸気を選択しているが、それでもパワーは197psに達しており、リア輪のみを駆動することで、見事なハンドリングをも実現している。
このエンジン形式がスバルの伝統に深く根付いたものであることを考えると、世界販売台数でGT86がBRZを上回っている状況というのは、彼らにとってほろ苦いものかも知れない。
ボルボ360+ルノー
ボルボのコンパクトな300シリーズのサルーンとハッチバックモデルに搭載されたルノー製エンジンはひとつでもなければふたつでもなく、3つも存在している。
そのなかで最小排気量となる1.4Lガソリンエンジンのパワーはわずか72psに留まっており、ややパワフルな83psを発揮する1.7Lも存在したが、ボルボではいくつかの市場向けには触媒をプラスすることで、75psにパワーを抑制したバージョンまで用意していた。
1984年には、1.7Lターボディーゼルエンジンが300シリーズ向けに登場しているが、英国で販売されることはなかった。そのパワーは驚愕の54psというものだったのだから、1989年にはラインナップから姿を消したのも当然だろう。
300シリーズはトータルで110万台を売り上げているが、そのほとんどがルノー製エンジンを搭載したモデルだった。