今あらためて試乗 トヨタMR2(SW20) 生産終了から20年、もう一度注目すべき理由

公開 : 2019.11.17 05:50  更新 : 2021.10.11 14:52

21世紀に際立つMR2の個性

昔憧れていた1台だから、中古なので値段が手ごろだから等々、近年ネオヒストリックカーが脚光を浴びている理由はいくつか挙げられる。だが現代のクルマにはない何かを持っているから、という理由も大きいはずだ。

MR2の場合は2Lクラスのミドシップという立ち位置が他の国産にないし、車重は軽さや3ペダルの操作系、現代車と比べれば稚拙なトラクションコントロール類も腕利きドライバーのやる気を駆り立てる。

MR2というエンブレムの左右にバックランプを配した特徴的なデザイン。丸4灯が強調されたテールランプはIII型以降の装備。フロントは195幅、リアは225幅の15インチ径がIV型の標準タイヤサイズとなる。
MR2というエンブレムの左右にバックランプを配した特徴的なデザイン。丸4灯が強調されたテールランプはIII型以降の装備。フロントは195幅、リアは225幅の15インチ径がIV型の標準タイヤサイズとなる。

アフターマーケットのパーツもひと通り揃っているので、今回試乗したクルマがアシを変更していたように、自分の好みに合わせたセッティングに仕上げる楽しみもある。

現代車は電制の可変ダンパーが付いていたりして、おいそれとパーツ交換する気が起きないモデルも少なくないが、その点ネオヒスはシンプルかつリーズナブルといえる。

MR2の命脈が途絶え、国産のミドシップ・スポーツカーの数はさらに限られている。この現状は、ミドシップ・レイアウトを市販スポーツカーとして成立させることの難しさを表している。

もともとの運動性能に優れ、速く走れるからこそ、ドライバーにはそれを乗りこなす高い技量が求められる。スポーツドライビング好きならばMR2の存在に今一度注目してみる必要があると思う。

記事に関わった人々

  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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