フォード・マスタング・マッハE 純EVのSUV発表 テスラ・モデルYのライバル
公開 : 2019.11.18 14:35 更新 : 2019.11.19 00:17
フォードはマッスルカーから発想を得たという、純EVのSUVを発表しました。すでに英国では注文も受け付けており、デリバリーは2020年10月。価格は4万ポンド(560万円)からを予定し、航続距離は418kmから595kmに設定されています。
マッスルカーから発想を得た魂のこもったEV
フォードは、ハイパワーなアメリカ車「マッスルカー」からスタイリングやパフォーマンスの発想を得たという、純EVのSUVモデル、マスタング・マッハEを発表した。
開発したのはフォードでEVなど次世代モデルの開発に取り組む、「チーム・エジソン」と呼ばれる部署で、70名の優秀なエンジニアで構成。フォード・ヨーロッパでデザインチーフを務めるムラート・グエラーは、群衆から際立った特別さを創造したといい、「魂のこもったEV」を目指したとしている。
発表されたモデルは、336psを発生するマッハEのトップグレードだが、後日465psのGTモデルも追加する予定。フォード最新のEVは、テスラ・モデルYのライバルとなる。
また全モデルラインに展開する名称として、EVに「マスタング」が用いられるとのこと。マッハEは、ご存知、初代マスタングに存在したマッハ1から来ている。
スタイリングはガソリンエンジンのクーペ、マスタングを想起させるものに仕上げられた。フロントグリル中心のポニーや縦3灯のテールライト、ボディラインなどはマスタングとの繋がりを感じるものだ。
グエラーは、「デザインは、ユニークなポジションを築くことを目指しました。フォード・マスタングだけが可能なものです。今後数年で沢山のEVが登場するでしょう。その中でエモーションとドラマ性を備えられるのが、マスタングです」 と述べている。
新しいEV用プラットフォームを採用
ボディで気付くのは、従来的なドアハンドルがないこと。オープンボタンを押すと、ドアが僅かに浮き上がり、小さなハンドルバーが突き出てくる。オーナーはスマートフォンをクルマのキーとして利用できるほか、Bピラーに埋め込まれた認証用のキーパッドでも施錠が可能。
マスタング・マッハEのインテリアも特徴的。幅の広いダッシュボードには、代々のマスタングで受け継がれてきたダブルカウルと呼ばれる2つの峰があしらわれ、サウンドバーが内蔵される。
中央にはテスラのように、縦長の15.5インチ・タッチモニターをレイアウト。特殊な接着剤を用いて、回転するノブ状の操作ボタンが付いている。
システムの大部分は、このモニターを通じてコントロール。OSはシンク4と呼ばれる新しいもので、無線でアップデートすることも可能となる。運転席正面にはデジタルメーター用の10.2インチのモニターを配置。ステアリングホイールには複数のコントロールボタンが付いている。
プラットフォームは、グローバル・エレクトリファイド2(GE2)と呼ばれるフォード製最新のEV用を採用。最新のフォーカスやクーガが利用するC2アーキテクチャへ大幅に手を加えたものだ。
グエラーによれば、ホイールベースやボンネットの長さなどは、プラットフォームの設計段階からデザイナーの意見も加味しているとのこと。確かにボンネットはEVとしては長く見えるが、マスタングらしいデザインには、大切な部分だったという。