194psの4気筒ディーゼルを追加 メルセデス・ベンツGLC 220dに試乗 慌てないSUV

公開 : 2019.11.21 09:50

新しいGLCのラインナップに、エントリーグレードとなる4気筒エンジンモデル、220dが登場。快適で装備が充実したSUVを探しているのなら、候補の最上位に挙げて良いと、英国編集部は高く評価しています。

上質な4気筒ディーゼルがGLCに仲間入り

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2019年初め、GLCが大幅なフェイスリフトを受けて登場した。その時のディーゼルエンジンは、強力な300dに限られていたが、4気筒ディーゼルの220dが追加となった。英国では、GLCでも1番人気のグレードとなることは確実だろう。

OM654型と呼ばれる2.0Lの4気筒ユニットは、現行のAクラスEクラスにも搭載されている。220dへの搭載にあたって、やや出力は抑えられたようだ。

メルセデス・ベンツGLC 220d 4マティック・スポーツ
メルセデス・ベンツGLC 220d 4マティック・スポーツ

GLC 300dは244psを発生するが、220dは194psとなる。最大トルクは40.7kg-mと充分で、2トン近くあるSUVを7.9秒で静止状態から100km/hまで加速させる。

メルセデス・ベンツではお馴染みとなった、9速ATを介して4輪を駆動。エントリーグレードとなる220dには、標準的なコイルスプリングとアダプティブ・ダンパーが組み合わされる。

トリムグレードのスポーツには、メルセデス・ベンツ最新のMBUXインフォテインメント・システムが標準装備。全面モニター式のデジタルメーターは、ハイエンドのAMGプレミアムのみに採用される。

乗り心地はGLCに期待する通り、上質なもの。4気筒ディーゼルエンジンも。穏やかに走らせている限りは堂々とした印象を受ける。エンジンノイズも回転数を上げなければ、車内に響いてくることはない。

たとえ大きなパワーが必要でGLC 300d以上にエンジンの回転数を速めても、張り詰めた音は車内に届かない。さすがにスムーズさは6気筒ユニットの方が上だけれど。

リラックスして自動車旅行を楽しむ

積極的に走らせると、9速ATは急な変速をややためらう傾向がある。オートマチックモードのままでも、シフトパドルを手で弾いても、その振る舞いは同じ。だが普通の速度で走らせている限り、ATはスムーズに仕事をこなしていく。

操縦性の面では、ダイナミクス性能でクラスベストを狙った印象はない。ステアリングは正確性が高く、コーナリング時のボディロールも不安感のないレベル。だが、ハードコアなAMG仕様は別として、グリップ力の限界付近まで攻め立てても、特にドライバーとの一体感が強まるわけではない。

メルセデス・ベンツGLC 220d 4マティック・スポーツ
メルセデス・ベンツGLC 220d 4マティック・スポーツ

あくまでもGLC 220dは、リラックスして自動車旅行を楽しむ部類のクルマ。スポーツグレードなら、標準の柔らかなサスペンションと、モデルの中では控えめな18インチホイールを履き、快適な高速走行を味わえる。

大きなくぼみやバンプでは乗り心地には影響が及ぶし、エアサスペンションを採用した上級グレードと同等の快適さではない。しかし殆どの場合、クラスでは最上級の上質な居心地に身を委ねられる。

その居心地の良さを引き立てているのが、洗練されたインテリア。美しくデザインの行き届いたディティールに、まるでファーストクラスのコンパートメントのような、ゆったりとしたセンターコンソール。明確にドライバー重視のコクピットとは異なる。

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