ガソリン版も小変更 ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200に試乗
公開 : 2019.11.20 09:50
マイナーチェンジで刷新したインテリア。マイルドハイブリッドも獲得していますが、期待ほどの燃費は得られていない様子。しかし優れた実用性と走行性能、快適性は高く評価できると、英国編集部はまとめています。
もくじ
ーすべてのAT車に電圧48Vのハイブリッドを搭載
ーボディデザイン以上に刷新されたインテリア
ー特筆すべき操縦性とオフロード性能
ー幅広い実力を兼ね備えた結果の車重
ーランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200 AWD S Rダイナミックのスペック
すべてのAT車に電圧48Vのハイブリッドを搭載
新しくなったディスカバリー・スポーツ。登場から4年が経過し、モデルライフ中期として定番のバンパーやヘッドライト回りのデザイン変更を受けた。しかし、内面ではプラットフォームを置き換えるという、驚くべき更新を受けている。
かなりコストを要する変更だが、ディスカバリー・スポーツが獲得したのは、ジャガー・ランドローバー社(JLR)の新しいプレミアム・トランスバース・アーキテクチャ(PTA)。イヴォークにも採用されているもので、これには見かけのコスト以上に重要な意味がある。
新しくなったディスカバリーは、イヴォークと同じ、リバプール近郊の新しいヘイルウッド工場で生産されるためだ。JLRによれば、2020年までにハイブリッドを含む電動化技術を採用すると表明していることを考えると、更に合点がいく。PTAは、電圧48Vによる電動化技術をサポートしているのだから。
新しくなったディスカバリー・スポーツは、ATを搭載するモデルのすべてに、ベルト駆動されるスターター・ジェネレーターと、エネルギーを蓄えるバッテリーを搭載。回生エネルギーを充電し、瞬発的なエネルギーが必要となった場合、モーターがエンジンをアシストしてくれる。
さらに燃費を向上させる狙いで、一定速度でクルージングしている時、回転ロスを減らすためにリアタイヤをATから切り離す機能も採用。クルマの走行速度が17km/hを下回ると、自動的にエンジンを停止させるシステムも搭載した。
ボディデザイン以上に刷新されたインテリア
さらに運転時にわかりやすい先進技術としては、クリアサイト・ルームミラー。リアシートのヘッドレストや窓枠などを取り除いた映像を、ルームミラーの位置のモニターに表示してくれる。
また、クリアサイト・グラウンドビューは、クルマ前方直下の映像をモニターに表示してくれる機能。オフロードだけでなく、都市部での駐車でも役に立つだろう。
インフォテインメント・システムもアップグレードされ、エアコンの操作もタッチパネルで行うようになっている。オールテレーン・レスポンス・システムも新しくなったほか、スマートフォンのワイヤレス充電機能や、リアビューカメラも搭載。最大2500kgまで対応する牽引アシストも、この手のオーナーには有用なはず。
ボディデザインはいつものディスコだが、中に乗ると新しい。幅いっぱいに伸びるダッシュボードの基本デザインは踏襲されているものの、インスツルメントパネルやセンターコンソール、ステアリングホイールも新しくなっている。
タッチモニターとモニターによるデジタルメーターに合わせるべく、大幅にデザインし直されている。センターコンソールからは物理ボタンがなくなり、従来よりも使いにくくなった印象だが、すぐに慣れると思う。
目新しいところに馴染めば、ディスカバリー・スポーツが漂わせる上質で磨き上げられたオーラに包まれる喜び実感する。鋭く加速したり、速めのコーナリングを試しても、車内はノイズから切り離され常に落ち着いた空気が保たれている。