デザインで選んでも間違いない プジョー208 1.2 100アリュールに試乗
公開 : 2019.11.23 09:50 更新 : 2019.11.23 11:26
秀でたインテリアに惹かれる
どのプジョー208を選んでも、ライバルより秀でていることを実感する。インテリアは特にストロングポイント。ライバルを圧倒するほど優れた運転環境だといえる。快適さもトップレベルだし、新テリアの質感も非常に高い。
2段に別れたダッシュボードは車内を包むように大きくカーブ。中央には大きなインフォテインメント・システムのモニターがレイアウトされ、ややドライバーへ角度が付けられている。その下には操作しやすいレバースイッチが整然と並んでいる。
インフォテインメント・システムのモニターは、標準で7.0インチ。オプションを選ぶか上位トリムグレードのGTなら10.0インチとなる。物理スイッチとモニターでの操作との仕分けは、フォルクスワーゲンほど良好ではないが、ストレスを感じるほどでもない。レイアウト自体はとても煮詰められていると思う。
プジョーのiコクピットも見直しされ、好印象。メーター類はステアリングホイールのリムの上部から見える。プジョーのコンセプトカー、クオーツに見られたようなスタイリッシュなステアリングホイールと、3Dデジタル・インスツルメントが未来的だ。
表示される情報は2レイヤーに別れており、スピードや重要な情報などは、ドライバーの手前側に表示されるように見える。アダプティブ・クルーズコントロールはオプション。
車内の広さも荷室容量も競争力は高い。リアシートの広さを優先したいのなら、パノラミック・ガラスルーフは避けた方が良いかもしれない。
デザインで選べる基本的な資質の高さ
ダイナミクス性能は、良い点とそうでもない点が混ざる。3気筒ガソリンエンジンは改良を受け、アイドリング時のノイズも穏やか。加速も滑らかで、クルージング時のノイズも最小限。ただし、スペック上はプジョーの方が速くても、フォードのエコブースト・エンジンの方が個性的で活気を感じる。
滑らかな路面での乗り心地は、新しいシャシーとリアがトーションビーム式となるサスペンションとが良く仕事をし、基本的に悪くない。風切り音も静かだ。だが、荒れた路面では落ち着きを欠くこともあった。
扁平タイヤとスプリングのストロークが短い足回りの組み合わせのように、衝撃を吸収できていない場面がある。全体的な乗り心地は柔らかめの設定だけに、少々不思議。改めて、英国の道でしっかり確かめてみたい。
ステアリングホイールを切っていくと、切り始めは手応えを感じるが、まだかなり軽い。自由に動くリアタイヤは、コーナリング時の楽しさを高めている。
全体のバランスやリニアな操縦性では、フォード・フィエスタの方が上。プジョー208も総合的な印象は良く、不安を感じたりグリップ力で劣るということはないけれど。
コンパクト・ハッチバックへ新たな挑戦を仕掛けたプジョー208。資質も高く、デザインは大きな訴求力となるだろう。意欲的な造形となったインテリアデザインに、素材や組み立て品質が対応している。ボディデザインも大きな魅力。
クラス最良のドライバー・アピールを得てはいないとしても、充分に競争力が高いことは間違いない。
プジョー208 1.2 100アリュールのスペック
価格:1万8850ポンド(263万円)
全長:4055mm
全幅:1745mm
全高:1430mm
最高速度:188km/h
0-100km/h加速:9.9秒
燃費:16.5−18.7km/L
CO2排出量:96−102g/km
乾燥重量:1090kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:100ps/5500rpm
最大トルク:20.8kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル