レクサス初の量産EV「UX 300e」 次世代電動車向け四駆システム「eアクスル」採用 試乗
公開 : 2019.11.22 12:43 更新 : 2021.10.09 23:53
メディア関係者が事前試乗 初の試み
試乗したのは、トヨタの東富士研究所(静岡県裾野市)内のテストコースだ。
実施された日時は、中国広州モーターショーでUX 300eが公開される約1か月前。レクサスインターナショナルによるテクノロジー・ディーブ・ドライブというイベントだった。
参加したのは筆者(桃田健史)を含めた20人ほどのメディア関係者だ。
こうしたイベントは、レクサスが1989年に誕生してから初めてだ。レクサスインターナショナルとしては、次世代レクサスの歩むべき方向をメディア関係者とひざ詰めで議論したいのだという。
そのため、世界発表前のUX 300eや、現時点では正式な量産計画が経ってないeアクスルなどを試験車両を使って体験してもらうという斬新な手法をとったのだ。
朝は早くに東富士研究所に集合し、機密性の高い様々な実験棟の間を専用バスで通過しながら、各種テストドライブが行われた。
これまでも何度か、トヨタ案件で東富士研究所を取材してきたが、今回使用したテストコースは世界各地のワインディング路を再現したコースで、筆者としては初体験となった。
乗ってみた スポーツカーのような走り味
まず、UX 300eに乗った。
試乗前に懸念したのは、重量増による操縦性の低下だ。
レクサスUXにはUX200とUX250hがラインナップされているが、走りの良さは軽量なUX200に軍配が上がると筆者が考えている。
それが、UX 300eでは電池パックだけで約350kgもあり、車体重量は約1900kgにも達する。大丈夫なのだろうか……?
モーター出力は150kw、最大トルクは300Nm。走り味はまるで、スポーツカーだ。
クルマの動きの指標となる、ヨー慣性モーメントと重心の高さとのバランスで、UX200やUX250hと比べて明らかにスポーツカー寄りとなっている、とのデータをレクサス側が示したのだが、まさにその通りの動きだ。
一方、ES300hをeアクスル化した実験車では、後輪にEVがもう1台加わったかのような強烈なインパクトがあった。
レクサスとしては今後、eアクスルを「Fスポーツ」のハイパフォーマンス化の目玉に据えたい考えだ。
2025年には、全モデルを電動化することを明言しているレクサス。UX 300eの発売は、2020年に中国と欧州を皮切りに日本は2021年前半を予定。ブランド価値の再構築のために、トヨタとはひと味もふた味も違う電動化戦略を仕掛けてくる。