ロードテスト マツダ3 ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.11.23 11:50 更新 : 2019.12.10 17:14
結論 ★★★★★★★★☆☆
マツダの主要なセールスポイントとしてきたもののひとつに、走りの楽しさが高いレベルにあることが挙げられる。それはロードスターをはじめとするスポーツモデルに限ったことではなく、ハッチバックやコンパクトカーなど、広島生まれのクルマに共通する美点だ。
魅力的なハンドリングを実現するという点で、この4代目マツダ3が、積年の努力が築き上げた名声を裏切ることがなかったのはグッドニュースだ。群雄割拠するこのクラスにおいても、トップといっていいだろう。
この優れたアジリティに、マテリアルの質感でもセグメントトップレベルのキャビン、充実した標準装備、コストパフォーマンスのよさも兼ね備える。いいことづくめではないか。
しかし、凝ったエンジニアリングと高い燃費効率を誇る新型エンジンは、ハンドリングに見合ったパフォーマンスを提供してくれるものではない。経済性は優秀でも、パワーデリバリーにはマツダに期待されるスポーティさや熱さが欠けている。競争激しいセグメントのトップ5には食い込んだが、今回の仕様ではそこまでにとどまった。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース
スタイリングの魅力は衝撃的で、インテリアには高級なルックスとフィールがある。ドイツのプレミアム勢に対する、ややテイストの異なった対抗馬としては、多くの注目を集めそうだ。
サイモン・デイヴィス
スカイアクティブXを構成する技術要素やノウハウはみごとだが、現実的にはもう少しフレキシビリティやパフォーマンスがほしい。フォーカスやゴルフには、わずかばかり及ばない。
オプション追加のアドバイス
スカイアクティブXには限界も感じるが、デチューンされた2.0スカイアクティブGよりはこちらを選びたい。グレードはスポーツリュクスを選べば、2.5万ポンド(約338万円)以下で、たいていのアイテムが揃う。
改善してほしいポイント
・リアサスはマルチリンク化を検討してほしい。このクラスのスポーティな物件は、軒並みそれを採用している。
・中速トルクと高速でもっと回ること、両方を望むのは贅沢だろう。どちらかを選べといわれたら、後者だろうか。
・ドライビングポジションはもう少し低く、もちろん後席はもう少し広ければ、いうことなしなのだが。