ミニバンのカスタム アメリカなぜ少ない? 日米で異なる事情 数千台の出展車わずか1台
公開 : 2019.11.25 12:02 更新 : 2019.11.25 12:05
そもそも米でミニバンの車種が減っている
さらに言えば、アメリカで一時代を築き、栄華を誇ったミニバンは一時期10車種以上が米国内で生産されていた。が、現在、北米で生産されるのはクライスラー・パシフィカ、トヨタ・シエナ、ホンダ・オデッセイの3車種のみ。
ミニバンを生んだクライスラーがわずか1車種だけというのも寂しい限り。
かつてミニバンのデモカーをSEMAに数回出展したことがある米国のパーツメーカーに話を聞いたところ……。
「1970年代のアメリカではフルサイズのバンをカスタムする文化が非常に盛んでした」
「ミニバンをカスタムする文化(BOX&VANカルチャー)は、アメリカで今も存在しているしそのようなコミュニティも盛んです。ただ、典型的なミニバンのカスタム(=車高を下げてエアロで武装。エンジンチューニングはあまりしない)はどちらかというとアメリカよりもアジアでの人気が高いですね」
「アメリカで不人気というわけでは決してないのですが、注目を集めていない、興味を持たれないのは確か。『サッカーマム』のイメージもあるでしょう」
多くの人々の関心を集めるか=費用対効果
SEMAショウではどれだけ多くの人々の関心を集めるか? ブースに足を運んでもらえるか? SNSに画像を上げてもらえるか? というところが大きなポイントになる。
1〜2台という限られたデモカーを出展するなら費用対効果を第一に考えてとにかく派手で注目を集めるデモカーを置きたくなるだろう。
アメリカでもミニバンのカスタムは存在するしレイズやヨコハマタイヤなど日本メーカーのホイールはミニバンにおいても人気が高いそうだ。
2019年のSEMAでは筆者が認識している限り、1台だけミニバンのデモカー「2014年型トヨタ・シエナSE」のデモカーが出展されていた。
レイズ(RAYS)の米国輸入販売代理店である「マッキン・インダストリーズ」のブースである。
米国トヨタブースにも2014年~2016年の3年間はとくに過激なシエナが出展されたので、紹介しておこう。
2015:トヨタ・シエナDUBエディション
米国の人気自動車雑誌DUBマガジンとのコラボで誕生。
カスタムワイドボディキットを装着し、ギャラクシー・グレイの特別な外装で飾られている。
2015:トヨタ・シエナ・リミックス
米国シリウスXMサテライトラジオとのコラボによって誕生したカスタムシエナ。
「リミックス」の名の通り、音響系の過激なカスタムがユニークだ。後部ドアの動き方に要注目だ。