アルファ・ロメオ・ジュリア・ベローチェに試乗 輝く走り マイナーチェンジ
公開 : 2019.11.29 09:50
最もシャープなコンパクトサルーンの1台
中央の7.0インチモニターの表示は、追加された運転支援システムを中心に表示内容は改められている。アダプティブ・クルーズコントロールや、ブラインドスポット・モニター、レーンキープ・アシスト、交通標識認識機能などが含まれる。
しかし、大型のアナログメーターは残されたまま。完全にモニターによるデジタルメーターが用意されているBMW 3シリーズやアウディA4などとは異なる雰囲気だ。
ジュリアの一般道での走りは、相変わらず元気いっぱい。低速トルクも充分に太いうえに、レッドゾーン目がけてターボ過給によるパワーの高まりを実感できる。
アイドリング時のエンジンは上質さに欠けてはいるが、4気筒エンジンにムチを入れれば、心地よいサウンドが響いてくる。防音対策にも改良を受けており、高速道路でのクルージング時の車内は、落ち着いた雰囲気に変わる。
8速ATはアクセルペダルの動きに即座に反応。トランスミッション任せでも、ステアリングホイールに取り付けられたシフトパドルを弾いても、小気味よく変速する。ステアリングコラムに取り付けられたパドルより遥かに操作しやすく、スーパーカー側にいるクルマだと思える。
アルファ・ロメオ・ジュリアは、現在新車で購入できる中で、最もシャープな性格を持ったコンパクトサルーンの1台だといえる。
走りに拘るなら検討したい1台
ダイレクトで反応に優れたステアリングと、ドライバーを楽しませてくれる後輪駆動の個性は、アルファ・ロメオ・ジュリアらしい魅力。うっかり熱くなりすぎても、危険にさらされる可能性も少ない。スタビリティ・コントロールは基本的に常時オンのままとなっている。
ダイナミック・ドライビングモードでダンパーのセッティングをスポーティなものにすると、一般道ではやや過剰な硬さに感じられる。しかしシャープな変速設定とスロットル・レスポンスを活かしたまま、任意で柔らかいサスペンション設定を選ぶことも可能だ。
このクラスの高級サルーンの進化の度合いを考えると、アップデートを受けたジュリアが装備面で先頭に並ぶことは難しいだろう。インフォテインメント・システムも含めて、ライバルの歩みは速い。
だが、アルファ・ロメオ・ジュリアのドライビング体験は魅力的なまま。BMW 3シリーズやジャガーXEと並んで、検討候補に加えて欲しいクルマだ。
アルファ・ロメオ・ジュリア・ベローチェTi 280のスペック
価格:4万7000ポンド(658万円)
全長:4643mm
全幅:1860mm
全高:1436mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:5.7秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1429kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:280ps/5250rpm
最大トルク:40.7kg-m/2250rpm
ギアボックス:8速オートマティック