仏本社CEOも異例な出席 なぜ二子玉川の街中で「シトロエンの家」を再現した?

公開 : 2019.11.27 19:38  更新 : 2021.10.11 09:29

東京都は二子玉川で、プジョー・シトロエン・ジャポンが会見を開きました。シトロエン部門CEOであるリンダ・ジャクソンが語るのは異例。「シトロエンの家」や「ベルランゴ」について1時間語りました。

二子玉川ライズでの異例記者会見

text:Kenji Momota(桃田健史)
photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

セレブな街として知られる、二子玉川(ふたこたまがわ=東京都世田谷区)。

東急二子玉川駅の東口に2011年開業した二子玉川ライズ・ショッピングセンターは多摩川沿いに広がる商業施設エリアに175の店舗を構える。隣接するオフィス棟には、楽天本社が入る。

フランス本社のシトロエン部門CEOであるリンダ・ジャクソン。
フランス本社のシトロエン部門CEOであるリンダ・ジャクソン。

ショッピングアーケードでは場所柄、輸入車の展示会などが催されることは珍しくないのだが、ここまで大きな規模で自動車関連の記者会見が行われるのは珍しい。

会見を開いたのは、プジョー・シトロエン(PSA)・ジャポン。主な目的は、この地で期間限定で行う、家族で楽しめるイベント「コンフォート・ラ・メゾン・シトロエン(シトロエンの家)」(2019年11月27日~12月1日)の告知である。

ところが、驚いたことに会見ではフランス本社のシトロエン部門CEOであるリンダ・ジャクソン自身がプレゼンテーションを行ったのだ。

さらに、本社マーケティング部長のアルノ・ベロー二も登壇してブランド戦略についての詳細を披露した。

なぜ、本社幹部が二子玉川での小さなイベントに足を運んだのか?

なぜ、この地に「シトロエンの家」を再現したのか?

その背景には、自動車メーカーが直面する大きな時代変化がある。

まるで海外モーターショーのいち場面?

今回のイベントは、まるで海外モーターショーのような展示だった。

シトロエン100周年記念モデルの「C3オリジンズ」、「C3エアクロスSUV」、「C5エアクロス SUV」、そして日本初公開となった「ベルランゴ」という最新シトロエンが勢揃い。

AMI ONEコンセプト
AMI ONEコンセプト

また、商用車としてお馴染みのHバン(アッシュ・バン)でエスプレッソなどのカフェ提供サービスを行った。加えて、アーバン向け小型モビリティ「AMI ONEコンセプト」も本邦初公開となった。

展示コンセプト名の「シトロエンの家」とは、大胆で独創的なデザインと並ぶ、シトロエンブランドの特徴、コンフォートを具現化したものだ。

元来、シトロエンのコンフォートとは、伝統のエアサスペンションに代表される乗り心地の良さを指す。それをマーケティング戦略としてもっと広い視野で捉えて、「どこにいても居心地が良い空間=わが家」と表現したのだ。

「シトロエンの家」は、仏パリモーターショーでも採用されているのだが、PSAは今年(2019年)の東京モーターショーから撤退。その代わりとして、今回の二子玉川ライズでのイベント開催に結びついたといえる。

ジャクソンCEOによる約20分間のプレゼンを含めて、「ベルランゴ」の商品紹介など、じっくり1時間。

日中の気温が10℃を切る中の屋外開催だったが、シトロエン本社の活気あるプレゼン内容に満足したメディア関係者は、さほど寒さを感じなかったのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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