メルセデス・ベンツSクラス次期型、偽装少なく ホイールベースを一本化 EQSと2本立てに
公開 : 2019.11.28 20:25 更新 : 2021.04.27 07:08
ホイールベースは1種に EQSと2本立て
同社はさらに、内部コードネームW223の下で「2つの異なるホイールベースを持つ標準Sクラスを提供する」という長い伝統を廃止したと伝えられている。
現段階では公式な発表はないが、約5280mmに及ぶ長いホイールベースでのみ新型Sクラスを生産するという決定により、全長4920mmのEクラスの売上が伸びたと理解されている。
標準のSクラスは、MRAプラットフォームを搭載。一方、さらに技術的に進化した四輪駆動EQSは、新しいMEA(モジュラーエレクトリックアーキテクチャ)プラットフォームをベースとした最初のモデルだ。
より小型のEQモデル向けに開発された構造とは異なる。つまり、既存のプラットフォームがベースではなく、バッテリーを収納するフラットフロアを備えたEV専用アーキテクチャとして開発されているのだ。
新型SクラスPHVバージョンのドライブラインは、メルセデスの最新の3.0Lと2.9Lの直列6気筒ガソリンおよびディーゼルエンジンと、AMGが開発した4.0LのV8をベースとしている。自動ギアボックス内に収容されたディスク状の電気モーターと、ブートフロアに位置するリチウムイオン電池との組み合わせで駆動する。
純粋なEVであるEQSには、2つの電気モーターがある。1つはフロントアクスルに作用し、もう1つはリアアクスルを駆動する。これにより、すべてのバージョンで永続的な四輪駆動を可能とする。
今後発売のEQCでは、出力405ps以上、トルク約71kg-mとなるが、EQSの開発エンジニアによれば、それらをさらに上回る模様。AMGパフォーマンスモデルの計画では、出力は608ps以上。
プラットフォームは異なるものの、標準のSクラスとEQSは同じアクティブサスペンションシステムを共有している。
既存のSクラスを開発した「AIRマティックプラスシステム」は、48Vのエレクトリックアーキテクチャと、前方の道路をスキャンするステレオカメラとの組み合わせで作動する。
これにより各車輪のスプリングとダンパーの動作が調整され、コーナーでの体の傾きに対抗できるのみならず、ピッチをより適切にコントロールすることが可能となる。
なお、EQSは独自のスタイリングを採用すると言われている。電気自動車固有のパッケージングを生かし、新型Sクラスの標準バージョンよりも短めのボンネットと、重めのウインドスクリーン、つまりメルセデスCLS同様の設計となる予定。