ポルシェ新ハイパーカー、F1ドライブトレインの採用か 鍵握るクロアチア「リマック」社
公開 : 2019.11.29 11:05
机上だけでなく、実機として続けること
ポルシェは最終的にはF1への参加を回避し、フォーミュラEに参加することを決めたが、6気筒エンジンの開発は今も続いている。
エンツィンガーによると、ロードユースに必要な耐久性をもつF1エンジンはスーパースポーツカーにとっても興味深いものだからだ。
ただし、排気熱から電気エネルギーを回収するために使用される複雑で高価なMGU-H(モータージェネレーターユニット・ヒート)は不要だ。
「LMP1は撤退したが、2017年末に、非常に効率的な6気筒エンジンの開発を、机上だけでなく、実機として続けるよう命じられました」とエンツィンガーは語った。
エンツィンガーは、ポルシェの新しい6気筒エンジンは「完成し、テストベンチで動作しています」とも。また「工場生産に関する分析に使用されています」と認めた。
新しいドライブラインのハイブリッドコンポーネントの仕様は秘密とされているが、高出力のエレクトリック・モーターを使用すると考えられる。
鍵を握るのはクロアチア「リマック」社
最近のフランクフルトモーターショーでのポルシェのハイパーカープランについて、ポルシェのEVプロジェクトの責任者であるステファン・ヴェックバッハは、次のように述べた。
「ポルシェの目標はどのクルマもセグメントで最もスポーティなクルマとなることです」
ヴェックバッハは、新しいポルシェのドライブラインのエレクトリック・モーター側に、ポルシェとリマックのパートナーシップによって開発された技術を採用する可能性も示唆した。
リマックはクロアチアを拠点とするEVスーパーカーメーカーで、高い評価を得ているConcept OneとC_Twoをラインナップしている。
ポルシェは2018年にリマックの10%の株式をはじめて購入した後、最近になって15.5%に引き上げ、緊密な協力関係を計画していることを示唆した。
「リマックとは将来的に協力していく可能性があり、出資を増やしました」と、ウェックバッハは言った。
リマックは、最新のC_Twoハイパーカーに最大1915psを誇る電気ドライブシステムを搭載し、電気モーターおよび電力電気技術のリーダーとしての地位をあっと言う間に確立した。
ポルシェと同様に、リマックはアストン マーティン、ジャガー、ルノーなどともエンジニアリングプログラムを設定している。
5月、ヒュンダイ、起亜、リマックの3社がEVを共同開発する契約で、ヒュンダイと起亜はリマックに8000万ユーロを投資した。