高性能7シーターSUV メルセデスAMG GLB 35に試乗 306ps ライバル不在
公開 : 2019.12.02 09:50 更新 : 2019.12.02 14:33
優れた実用性を備えたメルセデス・ベンツのGLBを、AMGがチューニング。コンパクトな7人乗りSUVに、クラス最強と思わせる走行性能を与えられています。スペインで評価しました。
もくじ
ーA35と同じ306psの2.0L 4気筒ターボ
ー往年のレーサーを彷彿させるフロントグリル
ー車重が重くボディが大きいA35
ーゆるいぎないパワーとトラクション
ー実用性と走行性能の高さはライバル不在
ーメルセデスAMG GLB 35のスペック
A35と同じ306psの2.0L 4気筒ターボ
自動車メーカーのSUVには、高性能モデルを設定しなければラインナップが完成しない時代。それは最新のメルセデス・ベンツGLBでも例外ではない。
多くの顧客の心を、高効率なディーゼルエンジンや小排気量のガソリンエンジンで掴む一方で、AMGの手による「35」がGLBラインナップの頂点へと加わった。フォルクスワーゲンTロックRや間もなく登場するアウディRS Q8などと並ぶ、とりわけ運動神経の良いオフローダーの登場だ。
メルセデスAMGのAクラスという前例があることで、GLBにかなりのスパイスを効かせることは比較的簡単だっただろう。エンジンはハッチバックのA35にも搭載されている、306psの2.0L 4気筒ターボユニット。
トランスミッションは8速デュアルクラッチATで、4輪駆動システム4マティックも基本的にはA35と同じシステム。GLBの場合、100%の前輪駆動から前後均等の50:50まで、トルクを分配することができる。
フロントサスペンションへ与えられた変更はかなり大きい。ステアリング・ナックルとコントロールアームはGLB 35専用。サブフレームも強固な専用パーツとなっている。一方でリアサスペンションはマルチリンク式で、基本的には標準のGLBと同一のもの。コーナリング時の高荷重を踏まえて、ハブは強化品となっている。
往年のレーサーを彷彿させるフロントグリル
スプリングとダンパーは引き締められているが、アダプティブ・ダンパーはオプション設定。速度で可変する電動パワーステアリングに、フロントが350mm、リアが330mmの大径ディスクの構成によるAMGブレーキも搭載する。
エクステリアは他のAMGと共通。フロントスプリッターは大きくなり、マフラーは左右に別れた2本出し。リアバンパーの造形もスポーティなものになり、テールゲートの上部には大きなスポイラーが付く。
マルチスポークの19インチホイールが標準装備だが、オプションで20インチか21インチも履かせられる。フロントグリルは1950年代のメルセデス・ベンツ製レーシングカーを彷彿とさせる、「パンアメリカーナ」AMGグリルを装備。「35」シリーズでは初採用だという。
インテリアもAMGらしく手が加えられた。3スポークのマルチファンクション・ステアリングホイールに、サイドサポートの大きいフロントシート、メタル・フィニッシュのシフトパドルなどはお約束。
AMGダイナミック・セレクターも装備し、スロットルやトランスミッション、ドライブトレイン、ステアリング、スタビリティコントロールの設定の組み合わせを、多様なモードの中から選択可能。
ただ、筆者は少し操作に戸惑うのだけれど。サブメニューを掘り下げながら変更を加えていくと、自分を見失ってしまう。