【F1】ルイス・ハミルトン 英国最高のアスリートなのか? 実像に迫る 後編
公開 : 2019.12.08 16:50
好感度調査
ハミルトンがひとびとに与える印象は、彼のアスリートとしての評価に影響しているようだ。
その評価は二分しており、世間はハミルトンを好きか嫌いかにハッキリ分かれている。
最近ではハミルトンはビーガン(完全ベジタリアン)に転向するとともに、気候変動の脅威についても語っているが、彼を中傷するひとびとは、F1マシンをドライブして、世界中を飛び回っているような人物から環境問題を説かれるとは心外だと思っているようだ。
税金の掛からないモナコに居住する彼に反感をもつひとびともいる(それでもなぜか同じことをしている他のスターアスリートにはあまり関心がないようだ)。
ときには地元で生まれ育ち完ぺきなモラルを備えた人物であるかのように振る舞うかと思えば、次の瞬間には世界中を飛び回るスーパースターに変身するハミルトンのことを、自分が何者か分かっていないのではないかと感じるひとびともいるようだ(実際にはこれまでご紹介したように、彼はその両方のキャラクターを持っているのだ)。
1970年代にはジャッキー・スチュワートの長髪を気に食わないひとびとがいたのであり、21世紀初頭のいまも、ハミルトンの髪形やタトゥー、英国人らしくないアクセントやその派手なジュエリーの数々を批判するひとびとはいる。
時に距離を感じさせ現実離れしたように見えることもある。メディアとは一線を画した付き合いをしているが、それはおそらく彼のことを過去の人物であるかのように扱う一部メディアのせいだ。
だが、そうしたこともハミルトンのアスリートとしての能力には何ら関係ない。
彼と一緒にビールを飲みたいと思うかどうかと、彼が偉大なF1ドライバーでかどうかとは、まったく関係のない話なのだ。
そして、ハミルトンは間違いなく史上最高のF1ドライバーのひとりであり、もしかしたらもっとも偉大なドライバーかも知れない。
6度目のF1世界チャンピオンのタイトルを獲得したばかりだが、すでに7度目のタイトルを狙っている彼は史上もっとも成功したF1レーサーへの道を歩んでいる。
もっとも偉大な英国人アスリート?
ハミルトンを越えることはかなり難しいだろう。
番外編;引退にはまだ早い
来年1月で35歳になるルイス・ハミルトンは、F1ドライバーたちが引退を考え始める年齢に近づいているが、彼にそんな様子はまったく見られない。
シーズン後半のフェラーリ勢の強さにもかかわらず、来シーズンもハミルトンはチャンピオンの有力候補であり、ミハエル・シューマッハーに並ぶ史上最多7度目のチャンピオンを目指すことになる。
そんななか、8度目のタイトルに挑むとすれば、強い意志が求められるだろう。
つねにハミルトンは、記録のためにレースを戦っているのではなく勝利のためだと語っており、その意思が揺らぐ様子は見られない。
かつてハミルトンは自らの将来についてさまざまなメッセージを発していた。
それでも最新の発言ではF1への情熱を語っており、「まだまだ引退には早い」というのが彼の本心のようだ。
「ドライビングを愛しています。いまのところ引退の計画などまったくありません」と今年初めに彼は話している。
「マシンに対してやるべきことは数多く残っていますし、それはF1そのものにも言えます」