【ビートルがベース】知ってる? WDデンゼル1300 ポルシェ356のライバル 前編
公開 : 2019.12.07 07:50 更新 : 2020.12.08 10:56
1959年に手が加えられたナローボディ
珍しい1500ccエンジンは1300スーパースポーツ・ユニットへ載せ替えられ、シャシーも1957年から採用していた新しい設計のものに置き換えられた。ボディはオリジナルと大きな違いはないものの、大きく膨らんだ前後フェンダーと、可愛らしい左右に分割した軽量バンパーを備えている。
ボディ中央部は幅が狭められ、従来までの3名掛けのベンチシートではなく、フレームに布地が被せられた分割式の2名掛けへと変わっている。オリジナルはよりライバルの356に近いスタイリングだったが、だいぶ異なるボディデザインとなった。
1959年に全幅の狭いボディが与えられたことで、WDデンゼル1300は短いホイールベースとのバランスも良くなった。どの角度から見てもコンパクトで美しい。ポルシェに似たフロントエンドと対象的に、丸みを帯びたボートテールと短いオーバーハングが特徴的だ。
ステアリングホイールは大きく、乗り降りには少々邪魔。だが一度座ってしまえば、シンプルで快適なドライバーズシートだとわかる。運転姿勢も良く、クルマの4隅が掴みやすい。
今のオーナー、ジョアン・テベス・コスタが見事なレストアを施しているが、シートとシンプルなダッシュボードにはグレーのレザーが張られている。快適性を与えてくれるのはその程度で、残りの車内は質素で実用主義。助手席用の小さなハンドルと、低い位置にリアミラーが付いているくらいだ。
WDデンゼル1300の試乗インプレッションは後編にて。