ロードテスト キア・Xシード ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.11.30 11:50 更新 : 2021.03.05 21:36
意匠と技術 ★★★★★★☆☆☆☆
キア曰く、Xシードはクロスオーバー・ユーティリティビークルということになる。この形容はジャンル分けを曖昧にし、スタンダードなシードに対する車高の引き上げがわずかであることも示唆している。事実、その差は40mm程度だ。
とはいえ、エクステリアでシードと共用する部品は、フロントドアの外装パネルのみ。ヘッドライトをはじめとするほぼすべてのパーツが新設計で、完全なニューモデルだと感じられるものに仕上がっている。
そうはいっても、もちろん完全新設計というわけではない。プロポーションが大きく違うのは、主にリアアクスルより後方。これによってシードより全長が85mm伸び、ラゲッジルームも拡大した。しかし、キアの最新プラットフォームであるK2をベースに開発されているのは共通だ。
そのため、Xシードは独立懸架のリアサスも備える。だが、クロスメンバーに新規追加されたダイナミックダンパーによって、走りの洗練度は引き上げられたという。フロントのストラットにも油圧バンプストップを与えられ、スプリングレートを低めて乗り心地の改善を図ることが可能になった。市街地での取り回しを向上させるべく、電動パワーステアリングのアシストも強めている。
パワートレインのラインナップは、シードのそれと同様。英国では、1.0Lと1.4Lの直噴ターボガソリンが投入される。今後はスマートストリームこと、20.3km/Lの燃費を誇る1.6Lのターボディーゼルも追加される見込み。トランスミッションは、いずれのエンジンもキア内製の7速DCTと6速MTを組み合わせる。
また、プラグイン・ハイブリッドも用意される予定。これは8.9kWhのリチウムイオンバッテリーと44.5kWの電気モーターを、1.6L自然吸気のカッパエンジンとセットにしたパワートレインを積む。
予想通り、ドライブトレインはXシードのワイドなボディやゴツいルーフレール、ホイールアーチやサイドシルの樹脂ガードなどに比べれば平凡だ。四輪駆動は設定されず、オープンデフを介してサマータイヤを履く前輪を回すのみだ。
ドライブモードセレクターは備えるが、ステアリングの重さやスロットルレスポンス、シフトの性格をアジャストするにとどまる。ライバル車に見られるような、トラクション性能を向上させる電子制御デバイスは装備されない。