ロードテスト キア・Xシード ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.11.30 11:50 更新 : 2021.03.05 21:36
内装 ★★★★★★★☆☆☆
ほんの15年ほどで、キアはエクステリアのデザイン言語を変質させた。ひどく退屈だったそれは、おそらく欧州の古参メーカーですらうらやましく感じることもあるに違いないほどの外観を得るまでになったといっていい。
対するインテリアは、そこまで高く評価できるほどではない。それでも、シードから多くを借用したそれは、以前から明らかに改善されており、質感の水準は自慢のタネになりうるほどだ。
最上位グレードでは明るいカラーの加飾が施されるが、このインテリアの売りは見栄えの華やかさや豪華さではなく、堅牢さとエルゴノミクス。助手席スペースは広く、ファミリーカーの定石通り収納スペースは豊富。さまざまなプラスティックで構成されるキャビンにはソフトタッチな素材も用いられるが、その使用箇所は多くない。
ここまではシードと大差ない。しかし今回のXシードは、12.3インチのTFT液晶をおごった新型の計器盤と、ダッシュボード中央のタッチ操作式10.3インチディスプレイを装備。上質感を演出している。
後席のスペースは,、前席ほど広さが際立つものではない。Cセグメントでも大柄な、スコダ・スカラあたりと比べると、レッグスペースの差はメジャーで計らずともわかる。
このクルマの強みは、クーペ風にスロープしたルーフの割には、ヘッドルームが犠牲になっていないこと。完全にフラットなフロアのありがたみは、脚の長い乗員が中央に座らされた時に感じられるはずだ。
荷室容量は、シード比31L増の426L。クラス水準並みといったところだが、段違いのフロアと広い開口部が使い勝手を高めている。
走り重視のユーザーが買いたがるようなクルマではないが、Xシードはついに、おおむね欠陥の見当たらない、調整の効くドライビングポジションを手に入れた。シートのホールドも十分だ。