ロードテスト キア・Xシード ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2019.11.30 11:50  更新 : 2021.03.05 21:36

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

高められた地上高とソフトローダーらしくたくましい外観によって、スポーティな性質に対する期待は、シードやプロシードに対するほどではない。実際、兄弟分たちほど夢中になれたり反応が早かったりするわけではない。

それでも、安心感のある確かな足取りやハンドリングは残っている。信頼に足るファミリーハッチには、メリットのある運動面のキャラクターだ。決してエキサイティングな類のものではないが。

ファミリーハッチとしては良好な運動性だが、エキサイティングさはない。
ファミリーハッチとしては良好な運動性だが、エキサイティングさはない。    LUC LACEY

ロックトウロックは2.5回転。ステアリングの速さは中程度で、過剰に神経質だったり跳ね回ったりしない範疇で、十分にいい前輪のレスポンスをもたらす。ただし、シード系モデルに共通するやや不自然な手応えにより、やはり路面フィールはきちんと伝わってこない。

そうはいっても、一貫したギアリングはコーナリングで、Xシードのノーズを自信を持って正確に導く助けとなる。もっとも、コーナリング中にバンプや路面不整があると、ステアリングホイール越しに多少の突き上げを感じることになる。

フロントのグリップに関していえば、235/45セクションのコンチ・スポーツコンタクト5はしっかり路面に食いつく。ただし、その限界へ近づくのに、それほど熱く走る必要はない。

そうはいうものの、このクルマのノーズは限界に達すると流れ始めるが、それは穏やかで予期しやすく、スロットルを戻せばすぐに正しいラインへ戻る。

ボディコントロールは、シードほど緊密に抑えられたものではないが、総じて良好。速度域の高いなだらかな道路なら滑らかな安定したフィールで、穏やかなコーナーであればアンジュレーションも綺麗に乗り越える。

しかし、素早い方向転換を伴う横荷重の移動は、常に理想ほどプログレッシブでコントロールの効いたものではない。自信を奪うほどではないが。

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