ジャガーの名を体現した4ドアサルーン ジャガー・ヴァンデンプラスH.E.(XJ6サルーン)

公開 : 2019.11.30 19:50  更新 : 2021.10.09 22:43

V12で人気を博した最終期

初代のジャガーXJサルーンは押しもおされぬ名車として認識されており、70年代初頭にはシリーズ2、そして70年代の終わりにはシリーズ3へと進化している。

だが自動車にとっての70年代はオイルショックの勃発や厳しさを増した北米の排ガス規制など受難の時でもあった。

プラットフォームをフルアルミニウムに刷新した2003年デビューのX350系XJサルーンも、フロントの独立した丸目4灯やスラントしたボンネットとリアリッドに初代XJの影響が見て取れる。
プラットフォームをフルアルミニウムに刷新した2003年デビューのX350系XJサルーンも、フロントの独立した丸目4灯やスラントしたボンネットとリアリッドに初代XJの影響が見て取れる。

つまりXJサルーンは結果的に25年もの長きに渡って作り続けられてしまったという側面もあったのである。

そんなシリーズ1~3までの初代XJの中で、製品的な評価が最も高かったのはシリーズ3だった。黒い樹脂パーツを組み合わせたバンパーにより新たな装いとなったシリーズ3は、80年代後半にはクラシックの雰囲気も漂いはじめ、その人気に拍車がかかった。

またXJサルーンにはストレート6の他にV12エンジンを搭載したXJ12と呼ばれるモデルも存在し、ジャガー・ブランドの格を押し上げている。

V12を搭載したXJサルーンは、さらなる高級版としてベルギーのコーチビルダー(車体架装業者)の名前を冠したXJ12ヴァンデン・プラを追加。

その後はジャガーが名称を保有していた英国王室御用達ブランドであるディムラーの名で、1986年に次世代のXJサルーンがデビューして以降も継続して作り続けられたのだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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