新型ゴルフに乗ってみた VWゴルフ eTSI 8代目、着実な進化

公開 : 2019.12.01 09:50

8代目へとモデルチェンジしたフォルクスワーゲン・ゴルフ。最新のインテリアに生まれ変わり、機敏な操縦性も獲得しました。ファミリー・ハッチバックの水準を引き上げる完成度を獲得していると英国編集部では評価しています。

プラットフォームは7代目と同じMQB

text:Greg Kable( グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
フォルクスワーゲン・ゴルフが生まれたのは1974年。それから45年後、ゴルフは世界で最も多くの台数を販売するモデルとなった。これまでに3500万台以上が、世界中の道を走り回っている。

フォルクスワーゲンは歴代ゴルフの刷新には相当真剣に取り組んできた。モデルチェンジ毎に丁寧なアプローチを取ることで、欧州では最も競争の激しいカテゴリーで優れた評価を維持している。過激な変化を求めず、着実な進化を7回も重ねてきた結果だといえる。

フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 eTSI
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 eTSI

8代目へと生まれ変わったゴルフだが、エンジニアリング面で見ると完全な刷新ではなく、大改修版に近い。剛性を向上させているものの、7代目と同様に前輪駆動のMQBプラットフォームを採用してい
る。

ボディデザインは先代より個性が強められている。目力の強いLEDヘッドライトは、従来から大きく趣向を変更。随分低くなったフロントノーズの中でも、多くの意見が寄せられる部分となるだろう。

新しいゴルフは7代目と同じホイールベースを持つが、全長は29mm伸ばされ、全幅で10mm、全高で4mm大きくなった。前面の面積は大きくなったものの空気抵抗は減らしており、先代のCd値が0.30だったのに対し、8代目は0.27に改善している。ボディは5ドアのみだ。

ライバルモデルと差別化を図るオプションとして、フォルクスワーゲンIQライト・パッケージが用意されている。オートマティック・メインビームにストロボのように光るウインカー、専用のLEDテールライトなどが装備される。

2020年中には324psのゴルフRも

ボンネットのガス・ストラットは採用が見送られた。フォルクスワーゲンはコストカットではなく、ボンネットラッチが2点式になったことが理由だとしている。ボンネット裏面もボディカラーではなく、黒色で統一。生産の合理化を進めていることは明らかだ。

8代目ゴルフには当初から、電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドを採用したガソリンターボ・エンジン、eTSIが3種類、ガソリンエンジンによるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が2種類ラインナップされる。

フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 eTSI
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 eTSI

eTSIは、1.0Lの3気筒ターボは90ps。1.5Lの4気筒ターボは130psと150psに設定。マイルド・ハイブリッド化により燃費は10%向上したという。

PHEVは1.5Lの4気筒で、電気モーターはトランスミッションに内蔵。パフォーマンス重視のGTEグレードの場合、150psと33.2kg-mを発生させる。2020年に英国に導入されるのはこのGTEグレードとなる。

リチウムイオン・バッテリーの容量は13kWh。EVとして走行可能な距離は59kmで、先代より50%ほど伸延した。スターティング・グレードとしては、114psと150psの2.0L 4気筒ディーゼル、TDIも用意される。

トランスミッションはエンジンによって6速マニュアルか7速デュアルクラッチAT(DCT)が組み合わされる。前輪駆動が標準だが、一部のグレードには4輪駆動の4モーションも選べる。

2020年中には、GTiやGTD、Rモデルも追加となる予定。8代目ゴルフRには、先代からアップデートを受けた2.0L 4気筒ガソリンターボ・エンジンが搭載される見込み。最高出力は324psとなるようだ。

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