新型ゴルフに乗ってみた VWゴルフ eTSI 8代目、着実な進化
公開 : 2019.12.01 09:50
革新的に新しくなったインテリア
先代を確実に超える必要のあるゴルフ。8代目も目標を達成したことは、車内に入った瞬間にわかる。大幅に刷新された実用性の良いインテリアから、競争力が今後も維持する決意が伝わってくる。
弧を描く10.3インチモニターによるメーターパネル、イノビジョンが真っ先に目につく。インテリアのデザインは革新的な新しさを獲得し、若い層のドライバーにも響くだろう。ダッシュボード中央では、インフォテインメント・システム用の8.25インチか、オプションの10.0インチのタッチモニターが存在感を示す。
ステアリングホイールもマルチ・ファンクションとなり、運転環境は新鮮に感じられる。雰囲気はどこかフォルクスワーゲンの最新EV、ID.3にも近い。クルマを数mも走らせれば、すべてが機能的だと実感する。
操作系がダッシュボードの上側に移動し、ステアリングホイール周辺にまとまっている。センターコンソールは大きく、DCTモデルの場合、スターターと電子ハンドブレーキ、ヒル・コントロールのボタン類と、バイワイヤー式のシフトノブがレイアウトされる。
独立したボタン類はとても少数。エアコンやドライビングモードを含めて、ほとんどの機能はタッチモニターで操作する。モニター下のタッチセンサーを指で左右に撫でる「スライダー」というインターフェイスで、ラジオのボリュームなどが変えられるが、補完するために音声認識機能も用意された。
ダッシュボードやドアパネルにはアンビエントライトが埋め込まれている。ゴルフとしては初採用となるヘッドアップ・ディスプレイなど、オプションも豊富だ。
インテリアの質感自体も良くなった。硬質なプラスティックも残っているが、多くのユーザーはダッシュボードの仕立ての良さや、素材の質感の高さを評価するだろう。インフォテインメント・システムのモニターの良好な反応や触覚フィードバックで、印象は一層高まるはず。
運転支援システムもアップデート
インフォテインメント・システムはMIBシステムの第3世代目。内蔵のeSIMによってインターネットに常時接続され、音楽データや交通情報などをリアルタイムで取得できる。
トラベルアシストを含む、運転支援システムもアップグレードを受けた。アダプティブ・クルーズコントロールと車線維持システムによって、209km/hまでの速度域で支援的な「ハンドオフ」運転が可能となっている。
さらに欧州での統一規格に基づいた、Car2X技術をフォルクスワーゲンとして初採用。周辺車両や道路インフラの情報を利用し、渋滞警告などをしてくれる。
ダッシュボードのデザインは先代から飛躍したとはいえ、運転姿勢やインテリア全体のパッケージには共通性が残る。フロントシートはサイドサポートもしっかりしており、ステアリングホイールの位置やシートの角度など、調整幅も大きい。
長くなったが走らせてみよう。今回試乗するのはマイルド・ハイブリッドの最強版となる1.5 eTSI。従来の内燃エンジンを支持する保守的な層にも、明らかなメリットを示す必要があるユニットだ。
150psの必要十分なパワーは5000rpmで得られる。回転は滑らかで、6400rpmでリミッターが掛かるまで気持ちよく吹け上がる。25.3kg-mの不足ないトルクは1500rpmから発生するから、日常的な運転で回転数を上げる必要はないだろう。スポーツモードを選ぶと、適度な活発さが加算される。
1.5 eTSIの0-100km/h加速は8.5秒、最高速度は223km/h。マイルド・ハイブリッドではない1.5 TSIの場合、0-100km/h加速は8.7秒、最高速度は217km/hと若干穏やかになる。
ベルト駆動される電圧48Vで作動するスターター・ジェネレーターは、エネルギーの回生やコースティング機能、アイドリングストップ機能などを賄う。7速DCTは発進も更にスムーズになった。