BMW i3デビュー

公開 : 2013.07.30 20:00  更新 : 2017.06.01 02:15

BMWはi3のプロダクション・バージョンの発表をロンドン、ニューヨーク、北京で同時に行った。新しいiブランドの最初のモデルとなるi3は、BMWが電気自動車の覇権を目指したモデルでもある。

i3は2011年のフランクフルト・モーターショーでベールを脱いだコンセプト・モデルと基本的に同じようなスタイルを持つが、そのドアは当初の3ドアから5ドアへと変更されている。

価格はドイツで€34,950(450万円)、レンジ・エクステンダー付きで€39,450(510万円)と発表されている。英国では£30,680(458万円)だが、補助金が£5,000(72万円)ほど出るため実質は£25,680(386万円)となる。また、£2,995(45万円)のデポジットを必要とするが、36ヶ月リースで月々£369(5.5万円)という提案もなされている。価格は国により支給される補助金などによって変わることとなるだろう。

BMWはi3のために€2,000,000,000(260億円)の金額を、リサーチ、開発、テスト、プロダクションのために投資しているという。

その最も革新的なカーボンファイバー製ボディは、アメリカに拠点を置くSGLカーボンから供給されるが、最終的な工程はドイツのランツフードで行われる。その重さは230kgもの重さのバッテリーを含んでも1195kgで、これは既存の114iよりも90kg軽い。

強度的に高い剛性が確保できたため、BMWのデザインチームは従来のBピラーを廃止し、リアにはコーチスタイルの後丁番のドアを与えた。ボディの長さは3999mm、全幅が1775mm、全高が1578mm。第2世代の1シリーズと比較すると、326mm短く10mm広く158mm高い。ホイールベースは2570mm。オーバーハングはフロントが707mm、リアが722mmだ。

i3はBMWにとって最初のEVモデルとなる。モーターは168bhp、25.4kg-mで、リア・アクスルの上にあるサブ・アッセンブリーにマウントされる。そのパワーは、ミニ・クーパーSのターボ付き1.6ℓ4気筒ガソリン・エンジンよりも10bhp、0.7kg-m低いほどだ。ギアボックスはシングル・レシオで、コンフォート、エコプロ、エコプロ・プラスという3つのドライビング・モードが用意される。

バッテリーは、6年または100,000マイル(16万km)の保証がつくサムスン製の22kWhの96セルのリチウム・イオンだ。ちなみにこのバッテリーは、単独のセルを交換可能なもの。

EUのテストでは190kmの航続距離を確保しているが、BMWは130kmから160kmが妥当なところだとアナウンスしている。しかし、最も効率的なエコプロ・プラス・モードでは最高速度は80km/hに制限されるが、最高200kmの航続距離を誇るという。更に、レンジ・エクステンダーはオプション装備となるが、25bhpを発生するC650CTマキシ・スクーター用の650cc2気筒エンジンと9ℓのガソリン・タンクによって航続距離は300kmにまでアップする。

パフォーマンスは、0-60km/h加速が3.7秒、0-100km/h加速が7.2秒、80-120km/h追い越し加速は4.9秒だ。レンジ・エクステンダー付きモデルは、3.9秒、7.9秒、5.5秒となる。共に最高速度は150km/hだ。

バッテリー・チャージは、80%充電なら30分以下だという。

サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアが5リンクで、アルミニウム製シャシーに乗る。ステアリングは、ロック・トゥ・ロック2.5回転で、最小回転半径は9.9m.重量配分はフロント50、リア50と理想的なものだ。

タイヤは155/70、ホイールは19インチが標準で、155/60プラス20インチもオプションで選択できる。

ドライビング・ポジションは1シリーズよりも170mm高い670mm。トランクスペースは、260ℓだ。

11月中旬にドイツを始めとするヨーロッパ市場で販売が開始され、アメリカ、中国、日本では2014年前半を予定している。

BMWグループのノルベルト・ライトホーファー会長は、「イノベーションは変化を促します。i3はこれまでの自動車を超えるものであり、サステイナブルなモビリティに向けた革新的な一歩であります。大都市圏の顧客ニーズに対応するため電動パワートレーンを始め完全な専用設計になっています。」とコメントしている。

BMW i3 初試乗

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事