新型ボルボS60 T6日本試乗 プラグイン・ハイブリッド・セダンの内装/走りの評価は?

公開 : 2019.12.02 21:25  更新 : 2021.10.11 09:12

上質なシート/広い後席

ホイールベースが延長されたことで、キャビンの空間も特に後席まわりでは大きな余裕が生まれた。特にニー・クリアランスは、先代がわずかに15mmだったのに対して、新型は51mm。

シートの座り心地は前後ともに素晴らしく、パーフォレーテッド・ナッパレザーを用いるフロントの電動シートには4ウェイのランバーサポート機能やマッサージ機能も備わるほか、シート構造自体は上級モデルのS90と同様のものとされている。

S60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション
S60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション

フロントに搭載されるエンジンは、1968ccの直列4気筒DOHC 16バルブ・ターボ&スーパーチャージャー。

さらにエンジンと8速ATの間には最高出力で46ps、最大トルクで16.3kg-mを発揮するエレクトリックモーターが組み合わされており、これはパワーブーストを始め、バッテリー充電用のオルタネーター、エンジンのスターターモーターなどの役割を担う。

最高出力と最大トルクは、それぞれ253ps、35.7kg-mの最大トルクを誇る。とりわけ印象的なのは、1700〜5000rpmまでの領域において、完全にフラットに最大トルクが発揮され続けられること。このパワーユニットによる駆動輪は前輪だ。

さらにリアアクスルにはもうひとつのエレクトリックモーターが搭載され、87psの最高出力と24.5kg-mの最大トルクで後輪を駆動することで、駆動システムはAWDとなる。

どんな感じ?

96のセルに分割されたバッテリーは、車体の中心下部、すなわちセンタートンネルの部分に配置されている。その電力量は34Ah。充電時間は200Vの普通充電で2〜3時間で、フル充電からなら約45kmのゼロエミッション走行が可能になるという。

このS60はもちろん、ボルボの最新プラットフォーム、SPA=スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャを使用して設計されたもので、最初から電動化への対応も考えられていたため、バッテリーを効率的にこの位置に搭載することができた。もちろんそのための特別な強化策も万全に行われている。

S60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション  
S60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション  

さっそくS60 T6 AWDインスクリプションのドライブを始めよう。

まず誰もが感動するのは、やはりその造形の美しさだろう。先代のS60もセダンとして非常に魅力的な、まとまりのあるスタイルを実現していたことを思い出すが、新型のデザインは、さらに面構成の美しさを強く主張した実にダイナミックなものだ。

とりわけ印象的なのは、ボディ・サイドを流れるプレスラインとウエストラインのコンビネーション。リアドアからリアフェンダーに向けて一気にボリューム感を増す造形は、フットワークの力強さを見る者に印象づけてくれる。

アッパーラインも同様に美しい。ボディ・サイドからは、近年流行の4ドア・クーペのシルエットにも見えるスタイルだが、しかしながらルーフラインは後席まできちんと高く描かれており、トランクルームもまたその存在を主張する。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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