【白熱のレースに期待】F1新レギュレーション 2021年から適用開始 後編

公開 : 2019.12.22 18:50

2020年末に現行のコンコルド協定が失効することから、2021年シーズンからF1には新たなレギュレーションが導入されます。より白熱したレース展開の実現とF1の持続可能性を高めるべく、初めてチーム財政に関するレギュレーションも設定されました。その内容をご紹介します。

スポーティング・レギュレーション:ルールブック再整備

技術面に比べれば、スポーティング・レギュレーションにおける変更点は少なく、リバティ・メディアが推奨する土曜日の予選レース実施といった革新的なルールが導入されることはなさそうだ。

その代わりに、今回の変更では詳細なルールの整備に焦点が当てられている。

F1新レギュレーション
F1新レギュレーション

かつてティレルとルノーでチームマネージャーを務めたスティーブ・ニールセン(ブラウンが招聘したもうひとりの人物だ)が主導する形で、故チャーリー・ホワイティングが20年以上も管理してきたルールブックの再整備を行っている。

年間のレース数上限を25としたうえで、レース期間の短縮が検討されるとともに、車検が金曜日へと変更され、パルクフェルメも厳格化されている。

週末に新たなパーツを調達するような事態が拡大するのを防ぐべく、金曜日にはレース出走車両の仕様が決定されることになる。

各チームは開発したパーツを金曜日にテストすることは出来るが、そのパーツを使用してレースに参加することは出来ない。

さらに、風洞とCFDの使用に関してもルールが改正されるとともに、初めてエンジンのダイナモメーター使用規制も導入されている。

ファイナンシャル・レギュレーション:新たな挑戦

トップチームのコストを抑えようとする試みは数十年も続いてきた。それでも、これまで実効性のある対策が行われることはなかったが、FIAのルールに財政面の規制を導入するとともに、違反した場合には厳しい罰則を与えることで、ついにコスト抑制を実現することが出来そうだ。

2021年シーズンのコスト上限は1億7500万ドル/1億3500万ポンド(191億円)に設定され、レースごとに100万ドル(1億1000万円)までの追加支出が認められることとなった。

現在のF1マシンではその空力性能が白熱したレース展開を妨げている。
現在のF1マシンではその空力性能が白熱したレース展開を妨げている。

ドライバーやチームトップへのサラリーやマーケティング費用など、さまざまな除外項目が設けられているものの、例えそうだとしても、このファイナンシャル・レギュレーションの導入は、フェラーリ、メルセデスとレッドブルの3強にインパクトを与えるものであり、彼らにより効率的なチーム運営を促すことになる。

「ファイナンシャル・レギュレーションの導入はF1における大きな変化です」と、ブラウンは話している。

「過去にもこうした取り組みを進めようとしたことがありましたが、上手くいきませんでした。ファイナンシャル・レギュレーションで重要な点は、これがいまやFIA規制の一部になっているということです」

「ですから、ファイナンシャル・レギュレーションの違反に対する制裁措置というものは、その違反の重大性に基づいた、レースにおけるペナルティーといった形になるでしょう。かつてはチーム間の紳士協定によるリソースの制限でした」

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