【白熱のレースに期待】F1新レギュレーション 2021年から適用開始 後編
公開 : 2019.12.22 18:50
番外編:過去の過ち
2017年に行われた前回の大幅なルール変更では、マシンをより速く魅力的にすることを目的にダウンフォースの向上が進められたが、結果としてドライビングがより難しい車両を創り出すこととなった。
白熱したレース展開の実現というのはその目的に含まれていなかったのであり、どうやら検討の途中で、このルール改正に関わったテクニカル・ディレクターたちに見過ごされてしまったようだ。
当時、メルセデスで技術部門トップを務めていたパディ・ロウはこのルール改正に反対していたが、単に現状を維持しメルセデスチームのアドバンテージを残そうとしているだけだとして彼の主張は却下され、新ルールは導入されている。
その結果、狙い通りより幅広く高いダウンフォースを発生させる新型マシンを手に入れたライバルたちは、かつてなかったほどの勢いでメルセデスを猛追してみせた。
「2016年から2017年シーズンのマシンではダウンフォースが劇的に増加していましたが、その理由はわたしには理解不可能なことだったからこそ、当時のことを振り返ってみる価値があるのです」と、この決定後にF1に復帰したロス・ブラウンは話している。
「まさにまったく検討が為されていないルール変更の良い例です。確かにマシンは非常に速くはなりましたが、まったく白熱したレースの実現には貢献出来ませんでした」