改良新型ジャガーFタイプ(2020年型)、欧州で発表 外観大きく変更 V6廃止の地域も
公開 : 2019.12.04 12:25 更新 : 2020.01.10 12:21
デザイン、大きく変更
英ジャガーのデザインディレクターであるジュリアン・トムソンは、2011年に初めてFタイプを導入するにあたり、そのコンセプトに深く関わった人物だ。
彼は、当時の使命を次のように語った。
「間違いなくジャガーだと感じられるような、純度、プロポーション、存在感をそなえた最も美しいスポーツカーを設計することでした」
そして、今回のミッションをこう説明した。
「最新モデルを、これまで以上にドラマティックに、さらに明確な目的をもってデザインすることです」
最も重要な外観の変更は、フロントフェイスだ。よりロングノーズで、ワイドで、低いスタンスを強調するのが狙いだ。
新しいクラムシェルボンネットは中央の膨らみを保ちつつ、流麗で、まるで“液体金属” のような装いだ。
3つのモデルには、それぞれ異なるバンパーを装備。
エントリーモデルはクリーンで彫刻的な形状。Rダイナミックはエアロブレードを装備。R仕様は黒いベゼルが与えられ、大きくスポーティなエアスクープ用が実に力強い。
また、内装はロゴとテクスチャに繊細な変更が加えられている。
さらに、今回のデザイン変更の目玉はスリムなLEDヘッドライトの導入だ。ただし、新しいヘッドライトは、広くて深いグリル用のスペースを残している。
「みんな大声で言い合ってますよ」。外装デザインのボス、アダム・ハットンはそう言った。
「私たちがやることは同じであるべきです。厚かましい存在と思われたくありませんが、かと言って反対派の前で萎縮したくありません」
時代を超越したデザインというFタイプの使命と、オリジナルの形状に愛着があるジャガーのデザインチーム(と購入者)の板挟みにより、背面の一部には手がつけられていない。
テールライトはIペイスに導入された、あたかも ”シケイン” を思わすデザインを採用しており、ナンバープレートの凹部とディフューザーの形状がアレンジされている。
ユニークな内装、嬉しい工夫
内装は、こだわりのディテールをさらに作り込んでいる。オーナーに楽しんでもらえるようにとデザイナーが考案した新しい工夫がところどころに盛り込まれているのだ。
シートベルトガイドには「Jaguar est 1935」のレタリング。この数字は、創業者のウィリアム・ライオンズがジャガーの名前を初めてクルマの名称に採用した年を示している。
シートデザインは、スポーツとパフォーマンスの2種類を用意。
どちらも “軽量でスリム” なタイプだ。肩まわりのサポートが強まったのを実感できるだろう。
ベースモデルとRダイナミックモデルにはスポーツシート、Rおよびファーストエディションはパフォーマンスシートがそれぞれ標準装備されている。
価格帯、納車開始は?
改良新型Fタイプの英国価格は5万4060ポンド(約765万円)から。コンバーチブル・モデルはプラス5500ポンド(約78万円)という価格設定である。
上級グレードのRの英国価格は9万7280ポンド(約1376万円)、コンバーチブルは10万2370ポンド(約1448万円)となる。
V8/450psのクーペは、後輪駆動のバージョンは6万9990ポンド(約990万円)。四輪駆動はさらにプラス5000ポンド弱(約70万円)となる。
イギリス市場における注文はすでに開始。納車は2020年の第1四半期からとなる模様。