アルファ・ロメオ・ステルヴィオTi マイナーチェンジ SUV随一の走りの良さ
公開 : 2019.12.05 09:50
インフォテイメント・システムは大幅に更新
ダッシュボードの中央には8.8インチのインフォテイメント・システム用モニターが収まる。サイズは従来のままだが、タッチモニターとなった。
インターフェイス・デザインは大きくアップデートされ、ウィジェットを選ぶようにカスタマイズ可能になった点は高評価。ホーム画面で最も利用機会の多い機能を選んで表示できる。
グラフィックも最新のものとなり、操作もわかりやすい。ロータリースイッチでの操作性も優れている。アップル・カープレイとアンドロイド・オートも利用が可能。クルマの標準システムが飛躍的に良くなったから、スマートフォンとつなぐ必要性を感じないドライバーもいるかもしれない。
ドライバーの正面、メーターパネルの変更は小さい。アナログメーターを挟むように、小さめのモニターが収まる。アウディやBMW、ジャガーなどはフルモニターに移行しているから、少し出遅れ感はある。レウアウトは更新されており、最新の運転支援システムにも対応する。
アダプティブ・クルーズコントロールやレーンキープアシストを搭載し、このクラスとしてはライバルと同水準にまで向上。イタリアの試乗コースで試したが、レーンキープアシストは少々可能反応気味に思えた。
4気筒ディーゼルエンジンは不満のない動力性能を発揮。3500rpmも回せばほぼすべてがまかなえる。ドライビングモードは3種類が用意され、いずれも8速ATの変速フィールは好印象。
エンジンの回転フィールは最上級の上質さではない。それでも高速巡航中のノイズは最小限に抑えられている。
SUVでも運転を楽しみたいなら
ステルヴィオは従来どおり活動的に走る。操縦性の秀逸さは、ライバルを超えるカリスマ性すら備えている。ダイナミックモードを選び、路面が軽く濡れた状態なら、オーバーステア状態で少し楽しむことも造作ない。
ステアリングラックは4ドアサルーンのジュリアと同じクイックなもの。スタビリティコントロールの介入は控えめだが、完全にオフにすることはできない。
これだけのダイナミクス性能を備えているかわり、乗り心地は多少犠牲になっている。荒れた路面では、落ち着きがなくなってしまう。アウディQ5は、高速道路での乗り心地は良好だが、ステルヴィオほどドライバーが楽しめる操縦性の好感触は得られない。
インテリアの質感が大幅に向上したことは、ステルヴィオの訴求力の維持に貢献するはず。それでもなお、仕上りの良さではアウディQ5やBMW X3、メルセデス・ベンツGLCなどのライバルに一日の長がある。今回のマイナーチェンジで、その差は縮んだけれど。
一方で操縦性の秀逸さでは、アルファ・ロメオに軍配が上がる。SUVでも運転を楽しみたいと考えているドライバーにとって、第一の選択肢はアルファ・ロメオ・ステルヴィオとなるだろう。
アルファ・ロメオ・ステルヴィオTi 210 Q4のスペック
価格:4万8000ポンド(672万円)
全長:4687mm
全幅:1903mm
全高:1671mm
最高速度:215km/h
0-100km/h加速:6.6秒
燃費:17.8km/L
CO2排出量:146g/km
乾燥重量:1745kg
パワートレイン:直列4気筒2143ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:210ps/3500rpm
最大トルク:47.8kg-m/1750rpm
ギアボックス:8速オートマティック