プロドライブがレストア部門を設立 レースやラリーで活躍した名車を故郷で再生
公開 : 2019.12.03 16:50
世界ラリー選手権におけるスバルとのタッグをはじめ、モータースポーツで数々の成功を収めてきた英国のプロドライブ。同社が今まで製作した競技車両を、自らレストアするサービスを起ち上げました。
完璧な状態に戻したいオーナーの要望を受けて
モータースポーツ界の魔術師、プロドライブが新たにレストア・サービス部門を起ち上げた。これまで製作した1100台を超える歴史的レースカーおよびラリーカーを、プロドライブ自ら当時のオリジナル状態に修復・復元するという。
英国バンベリーに本拠を置く同社によれば、プロドライブ製マシンの人気がますます高まる昨今、それらを完璧な状態に戻したいと望むオーナーが増えているという。今回の活動は、かれらの要望を受けてのものだ。
1984年の創立以来、プロドライブが製作した競技車両の中には、700台を超えるスバルのラリーカーや、40台近いBMWのE30型M3が含まれる。これらのマシンはモータースポーツで特に輝かしい成功を収めてきた。
証明書の発行から徹底的な復元作業まで
「プロドライブ・レジェンド」と呼ばれるこのレストア・サービスは、プロドライブ製の車両のみを対象とする。その作業内容には、ワークス仕様エンジンのリビルトや整備から、競技に出場するための装備を調えたり、車両を一度すべて分解してから新車同様に復元するグランドアップ・レストレーションまで含まれる。一律2500ポンド(約35万円)という料金を支払えば、シャシーを確認してそのクルマが本物のプロドライブ製マシンであるという証明書を発行してもらうこともできる。
レストア作業はすべて、プロドライブのバンベリー本社で行われる。
「プロドライブ製マシンの多くは、情熱を持つオーナーにとって、今や計り知れないほどの価値があるクラシックカーであると考えられています」と、同社モータースポーツ部門を率いるポール・ホワースは言う。
「プロドライブ・レジェンドを起ち上げたことで、オーナーはクルマを生まれ故郷に戻すことができるようになりました。しかも、作業を行うスタッフの多くは当時と同じ、つまりそのクルマの設計・製作を手掛け、数々の勝利をもたらした人たちでもあるのです」
投機的価値も高まる
「極めて単純なことです。プロドライブ製マシンをリビルトするのに、それ以上に適した人物はいません。われわれは文字どおり、クルマの隅から隅まで熟知しています。そしてプロドライブ・レジェンドに従事するスタッフの多くは、そのクルマを最初に作り上げた人たちなのです」と、ホワースは続けた。
「さらに言えば、われわれには製作当時のデータがすべて保管されています。クルマの重要なパーツを複製する権利も有しています。また、1980年代はじめにわれわれが確立したネットワークのお陰で、見つけるのが難しいといわれている純正パーツの入手も問題ありません」
「当社による極めて高いレベルの作業は、クルマの価値を高めたいと考えるオーナーや、さらに投機の対象として見做す人々にとっても利益となります。オーナーの中には、クルマをイベントで走らせたり、人に見せることを好まない人もいるでしょう。しかし、プロドライブ・レジェンドで作業を受けたすべての車両は、すぐにでも競技出場が可能な状態となります」
興味のある方は、プロドライブの公式サイトをご覧いただきたい。