輸入車 なぜ日本でディーゼル人気? 一方で欧州の販売数は急低下 理由さぐる
公開 : 2019.12.03 17:30 更新 : 2021.10.09 23:53
一気に落ち込む欧州ディーゼル車市場
欧州車を選ぶ理由としての、クリーンディーゼル車。
低燃費、高トルク、さらに自動車税/自動車重量税などに対する税制優遇措置、また一部モデルに対してクルーンエネルギー自動車補助金など、ユーザーにとって直接的なメリットが大きい。
日系メーカーでディーゼル車は、デリカD:5、ランクルプラド、ハイエースなど一部モデルを除き、マツダだけがメーカーとして多モデル化による事業方針を継続している状況だ。
こうして市場基盤が出来上がっている300~500万円台市場に対して、輸入ディーゼル車が積極的に参入しているというのが実情だ。
一方、欧州ではディーゼル車市場が急速に縮小している。
2018年では、英国で前年比3割減などを大きく落ち込み、欧州市場全体で前年比2桁%減という厳しい状況にある。
欧州では昔から、乗用車で隣接する国々を通過しながら長いバケーションを楽しむのが当たり前の光景だった。
本来、バスやトラック向けの需要が多いディーゼル車を、ダイムラーが70年代に乗用向けとして発売したことで、乗用ディーゼルが欧州で普及していったという歴史がある。
こうした「欧州はディーゼル車が定番」という常識がいま、大きく崩れ始めているのだ。
なぜ欧州でディーゼル販売が減っている?
欧州のマーケットでディーゼル車が売れなくなっている原因は、欧州CO2規制の影響だ。
2021年に設定されている「1kmあたり95g」のCO2排出量規制について、自動車メーカー各社のエンジン開発者の多くが「世界で最も厳しい排ガス規制」と口を揃えている。
欧州CO2規制は今度さらに厳格化され、2030年には2021年(95g/km)に対して30%減との内容で、欧州委員会が議論が続いている。
欧州CO2規制に対応するため、欧州メーカーを含む自動車メーカー各社は「直近ではガソリンエンジンのプラグインハイブリッド車が解決策」という意見が多い。
また、現時点で正式に法整備化はされていないが、英国やフランスなどは国の方針として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンから、ハイブリッド車を含む電動車へのシフトを打ち出している。
つまり、将来的には、日本でも欧州並みのCO2規制が法整備化されると、輸入ディーゼル車のあり方に変化が生じる可能性も否定できない。