【7シーターという魅力】メルセデス・ベンツGLB 200に試乗 新型SUV登場 

公開 : 2019.12.09 09:50

好印象な姿勢制御と上質な乗り心地

1555kgと軽くはない車重を考えると、1.3Lという小さなエンジンの割に、クルマはかなり活発に走る。最大トルク25.3kg-mが1620rpmという低回転から得られることと、6000rpmまで綺麗に回ることが影響しているだろう。エンジンは遮音性も良い。

トランスミッションは7速ツインクラッチAT(DCT)で、変速のレスポンスもよくスムーズ。多くの点でGLBに最も良く合うパワーユニットだと思う。

メルセデス・ベンツGLB 200
メルセデス・ベンツGLB 200

GLB 200の安定志向の動的性格付けに、エンジンのパワーが丁度いい。キビキビとコーナリングを楽しむのではなく、毎日を快適に走るタイプのクルマとして。

サスペンションは、フロントがストラット式でリアがマルチリンク式。試乗車にはオプションのアダプティブ・ダンパーがセットされていた。試乗コースのスペインの道は平滑だったが、大きい起伏を超えても上質な乗り心地を保っていた。

カーブの連続する区間でも気持ちが高ぶる興奮は味わえないが、優れた落ち着きとグリップ力で、不満のないスピードで走ることができる。ステアリングホイールへ伝わる情報は希薄だが、クルマの反応は漸進的。スピードを上げていくとボディロールも大きくなるが、姿勢制御はかなり良好といえる。

コーナリング中にサスペンションへ強い負荷が掛かっても、前後のタイヤが荷重を分散していることが感じられる。アンダーステアの発生も自然で、最小限に抑え込まれている。

限界領域まで攻め込むと姿勢制御に締まりがなくなり、車重も実感するようになる。しかしこの車格を持つSUVとしては、かなり機敏に運転できるといって良い。

7シーターとして強く惹かれる存在

4輪駆動の4マティックを採用する220dなら、サーキットでも積極的に走れることは確認した。厳しい起伏を持つオフロードコースでも、巧妙にトラクションが保持され続け、スタックする兆候も見せなかった。とはいえ、はやりランドローバーのモデルにオフロード性能は分があることは間違いない。

英国での価格は、GLB 200スポーツの場合3万4200ポンド(478万円)から。最も手頃なランドローバー・ディスカバリー・スポーツより5000ポンド(70万円)も安い。

メルセデス・ベンツGLB 200
メルセデス・ベンツGLB 200

GLB 200は、実用性で勝るディーゼルエンジンより二酸化炭素の排出量が少なく、回転もスムーズ。家族を乗せてゆったりと週末のドライブを楽しむ目的なら、間違いなく訴求力は高い。

特に快適性と洗練性は、GLBの際立つ部分。7シーターという実用性と居心地の良さを備えつつ、ワイドモニターが存在感を示すインテリアは、ライバルでは届かない高級感を獲得している。

GLBよりコンパクトな7シーターモデルは欧州では珍しい。普通のMPVではつまらないという人に、GLBは強く惹かれる存在となるだろう。

メルセデス・ベンツGLB 200のスペック

価格:3万4200ポンド(478万円)
全長:4634mm
全幅:1834mm
全高:1658mm
最高速度:207km/h
0-100km/h加速:9.1秒
燃費:12.8-14.3km/L
CO2排出量:134g/km
乾燥重量:1555kg
パワートレイン:直列4気筒1332ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:163ps/5500rpm
最大トルク:25.3kg-m/1620-4000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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