日本にもいた! 10年前にデロリアンをEVにした男 世界で唯一、急速充電に対応

公開 : 2019.12.05 18:40  更新 : 2019.12.06 15:59

2009年3月にEVデロリアン完成!

藤井さんは仲間とともに試行錯誤を繰り返しながらも、コツコツと作業を続け、ついに2009年3月11日にEVデロリアンを完成させた。

アップグレードを続け、現在は「バージョン3」となったEVデロリアンに搭載されているのは、廃車になった三菱i-MiEVのシステムだ。

バージョン2で使っていた米国製の方が上だったがi-MiEVのEVシステムは熟成されているという。
バージョン2で使っていた米国製の方が上だったがi-MiEVのEVシステムは熟成されているという。

モーター自体のスペックはバージョン2で使っていた米国製の方が上だったがi-MiEVのEVシステムは熟成されており、多くのメリットが期待できたという。

「メーカークオリティのバッテリーマネージメントシステムや、急速充電規格『チャデモ』の搭載などですね」(藤井さん)

ただし、全てのパーツがCANでつながっているため、1つでも外すとシステムが起動しない可能性があったという。

i-MiEVシステムへの変換は長い時間がかかった。車両から配線を慎重に外し、その都度EVシステムを起動させ、機器が正常に動くのを確認。クリアできたら先に進んでまた確認……。

配線取り外しの次はリチウム電池。メンバー5人が集まって大型ジャッキを3つ使ってゆっくりと車体から降ろしたという。

直流330Vと高圧なので感電事故には最大限注意しつつ慎重に作業を進め、何とか作業完了。

「作業を始めてからリチウムイオン電池を取り外すまで、約半年かかりましたね」(藤井さん)

そして2016年7月22日に急速充電にも対応できるEVデロリアンバージョン3が完成した。

日頃のメンテナンスは? 洗車は?

最初は50kmだったEVデロリアンの航続距離は現在、100kmまで伸びた。

遠出も可能となり、近県の環境関連イベントに招待される機会も増え、デロリアンオーナーの集まり、EVオーナーの集まりなどにもEVデロリアンで頻繁に出かけているそうだ。

洗車もいつも水をざばっとかけて食器用洗剤で洗えばOKだという。
洗車もいつも水をざばっとかけて食器用洗剤で洗えばOKだという。

「EVデロリアンオーナーとなって10年経過しました。3回のバージョンアップをはじめ、多くの作業を仲間とともに自ら行ってきた経験によってEVは革新の塊であることがわかりました」

最新のモーターやリチウム電池が市場に登場した際には、さまざまなコンポーネントを変更および交換することも可能。

最初にデロリアンEV化を思いついたときのように、「車のボディそのままで、パフォーマンスのアップグレード」が実現できるという。

気になるのは日ごろのメンテナンスだ。洗車などはどうしているのだろう?

「構造がシンプルですから、実はメンテナンスは非常にラクなんです」

「オリジナルの(ガソリンエンジンの)デロリアンで発生する多くの問題もEV化することでトラブルとは無縁になりました」

「洗車もいつも水をざばっとかけて食器用洗剤で洗えばOK。汚れが目立って来たら。クリームクレンザージフを使います」

「ワックスはかけないですよ。可能な限り、余計なものはつけないのが基本です。流し台にワックスつけませんよね?(笑)」(藤井さん)

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