【ついに新型?】トヨタ・ハリアー、なぜモデル末期でも販売好調なのか フルモデルチェンジで何を期待?
公開 : 2019.12.29 11:50 更新 : 2021.10.09 23:53
2020年、トヨタ・ハリアーの新型が期待できそうです。いっぽうで、モデル末期の現行車は販売好調。2019年4〜9月の累積で1万9353台売れています。要因を探るとともに新型に期待できることを考えます。
ハリアー、モデル末期でも売れる理由
2020年フルモデルチェンジが濃厚な、トヨタのハリアー。
そんなモデル末期にもかかわらず、販売は好調だ。一般社団法人 自動車販売協会連合会の調べでは、2019年4〜9月の累積で1万9353台(前期比98.4%)と安定した数字を維持している。
順位は23位で、ライバル車であるマツダのCX-5(31位:1万4451台)やホンダのCR-V(46位:5416台)を大きくリードしている。
CX-5が2017年にフルモデルチェンジしてから2年目、またCR-Vは2018年に日本導入されてから1年目に対して、2013年登場で今年6年目となるハリアーがどうして売れ続けているのだろうか?
背景にあるのは、「手頃な高級っぽさ」だ。
トヨタ系の高級車といえば、レクサスがある。SUVとなるとUX(400万円~)、NX(450万円~)、RX(500万円~)、そしてLX(1000万円台)と値が張る。
それがハリアーになると、300万円台から高級車の雰囲気が味わえる。
300万円台は庶民にとって、けっして「手軽な価格」ではないが、最近の日本車は軽自動車でもフルフルの装備をすると200万円近い価格となる時代。300万円台で高級SUVが味わえるハリアーは、お買い得感があるのだ。
さらに、ハリアーが売れる理由を探ると、トヨタならではの戦略が見えてくる。
ハリアー、クロスオーバーSUVのはしり
ハリアーは現在、第3世代であり、日本専用モデルである。
だが、初代ハリアーは日本市場を重視したクルマではなかった。メインターゲットはアメリカだった。アメリカでのモデル名称は、初代のレクサスRXである。
初代ハリアー/初代RXが誕生した90年代後半のアメリカは、当時の米ビック3(GM/フォード/クライスラー)のピックアップトラックとSUVが売り上げを急激に伸ばしていた。
筆者も当時、アメリカの中西部に居住してピックアップトラックを日常の足としていた。SUVでは、フォードがエクスプローラー(ピックアップトラックF150がベース)、GMはC/K1500ベースのシボレータホやサバーバンが人気だった。
そうした中で、車体構造がピックアップトラック向けのラダー(はしご型)フレームではなく、普通乗用車用のフレームを使用するSUVが登場する。
当時は、こうしたSUVは、乗用車の影響を受けているという意味で、クロスオーバーSUV、ないしは端的にクロスオーバーと呼ばれていた。
初代ハリアー/初代RXは、当時アメリカですでに月販2万台レベルの大人気車種だったカムリの車体を活用して製品企画されたクロスオーバーである。
アメリカでRXは大成功を収め、その恩恵として日本ではハリアーとして登場した。