【ついに新型?】トヨタ・ハリアー、なぜモデル末期でも販売好調なのか フルモデルチェンジで何を期待?

公開 : 2019.12.29 11:50  更新 : 2021.10.09 23:53

「日本専用車」としての割り切りが奏功

アメリカでの初代RX成功は、レクサスの座を不動のものにした。1989年にLSで始まったレクサスだが、RXによって販売台数は急激に上昇した。

この流れは、第2世代RXにも引き継がれ、その恩恵で日本でも第2世代ハリアーとして登場した。

だが、初代と第2世代がRXが活躍した2000年代から2010年代初頭、日本市場ではミニバンと軽自動車へのシフトが進む中、SUVはスバルフォレスター日産エクストレイルトヨタランドクルーザーなど、オフロード志向が強いモデルが主流。

トヨタRAV4は徐々に人気が薄れ、2016年には日本での販売を終了するまでに至る。

こうした日本固有の市場動向に対して、第3世代ハリアーはレクサスRXと別路線を行くことを決定。それが、前述の「手軽な高級っぽさ」路線のオンロード系SUVだ。

アルファード/ヴェルファイアではなく、そんな感じでSUVが欲しい人たち向けに、ハリアーは支持された。こうした日本専用モデルの設定ができるのは、懐の深いトヨタならではである。

2020年新型ハリアー、TNGAへの期待大

では、2020年登場予定の第4世代ハリアーで何を期待できるか?

最大のメリットは、トヨタ新世代プラットフォームTNGAによる、走りの大幅な向上だ。

トヨタRAV4
トヨタRAV4

2017年には第2世代CX-5登場などを意識して行われた、ハリアーのマイナーチェンジでは、2.0L直噴ターボ車の力強さを味わうと同時に、車体の弱さを痛感した。

同車のメディア向け試乗会は、TNGAを採用した新型カムリと同時に開催されたこともあり、新型カムリのTNGA・GA-Kプラットフォームと、旧カムリのKプラットフォームを使うハリアーとでは、走りのレベルが全く違うことがわかった。

そして今年、GA-Kプラットフォームを採用して走りの質感が一気に向上し、そうした成果から日本カーオブザイヤーに輝いた新型RAV4が登場。

第4世代ハリアーは、新型RAV4と車体やエンジンではかなりの共通点が見込まれる。

その上で、レクサスに匹敵する「高級っぽさ」ではなく、真の高級を追及したコストパフォーマンスの高いモデルとして登場することだろう。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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