【ミニの工場 行ってみた】ミニ生産は突然の決定 大きな困難 さらなる挑戦へ
公開 : 2019.12.22 10:50
ホーム・オブ・ミニ
「計画どおり4月に生産を始めることは出来ましたが、まだ100%の状態ではありませんでした」とフィッシャーは言う。
ニュー・ミニの一般向け発売は2001年7月7日とされていたのであり、「この日には絶対に間に合わせる必要がありました」とコーワンは言う。
増え続けるオーダーにもかかわらず、ブルックは「2年が経っても工場閉鎖の噂は残っていました」と言う。「ですが、生産が増えるにつれ、こうした心配もいつの間にかなくなっていったのです」
「2001年当時の生産台数は5万台に達していませんでした」とフィッシャーは話す。「ですが、2005年には20万台を越えていたのです」
1年後、フィッシャーたちは、かつてローバーの工場だったこの建物のなかで何とか生産ラインを増設する方法を見つけ出すことに成功している。
「非常にイノベーティブなやり方でした」と、彼は大量に屋根のスペースまで活用したその方法について話している。
まさにエンジンとギアボックスを2階建てにしたオリジナル・ミニを彷彿とさせるこの独創的な方法は、BMWが「ホーム・オブ・ミニ」と呼ぶこの工場だからこそ実現出来たものであり、カウリー工場の次の使命は、ミニ・エレクトリックの生産開始と英国のEU離脱という荒波を乗り越えることにある。
番外編:変わらぬ魅力
初代R50世代のニュー・ミニが登場したのは18年も前のことだが、いまも数多くの車両を目にすることができる。
その理由はこのクルマが大ヒットしたからであり、非常に優れた品質で組み立てられていたからだ。そしていまだに魅力的でもある。
いまこのモデルを改めて見てみると、現行のロングノーズが特徴のミニ・ハッチバックでは失われてしまった完ぺきなプロポーションと、若々しいインテリアに目を奪われるに違いない。
そして、発売当時には批判されたそのボディサイズさえ、いまや非常にコンパクトに感じられる。
走らせても間違いなくミニであり、フラットなコーナリング姿勢とクイックなステアリング、そして活気あふれるエンジンの組み合わせは、いまでも驚くべきドライビングの楽しみを味わわせてくれる。
コレクターたちがこの個体のような、ごく初期のモデルを集めているというのも当然だろう。