【奥が深いタミヤの世界】驚異のこだわり 情熱は衰えず 後編
公開 : 2019.12.21 16:50 更新 : 2019.12.25 17:55
番外編1:最初はプラモデルから
誰もが何かでスタートするのであり、伝説的なF1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイの場合、それはタミヤのホンダRA273 V12 F1だった。
「父は獣医師だったのですが、自分のクルマの面倒は自分でみていました。さらには熱心なオモチャ好きでもあったのです」と、彼は言う。
「最初のプラモデルを作ったのは9歳のときでした。タミヤから出ていたホンダのF1カーです。父にも助けてもらいました。2台目がロータス49でしたが、おそらくこちらの方がより大きな影響をもたらしたのだと思います。フロントアップライトとか、アッパーウィッシュボーンといった風に、すべてのパーツに表示がしてあったので、専門用語を学ぶことが出来ました」
「このモデルを作ることで、どんな風にF1マシンが構成されているのか理解することができました。エンジンやモノコック、ギアボックスといったすべてのパーツが実際のマシンを再現しています」
「サスペンションやステアリングを実際に動かすことが出来るため、どんな風にサスペンションが作動するかも学ぶことが出来ます。11歳の頃には自らデザインスケッチを行い、父の道具を使って実際に作ってみるようになっていました」
「小さなアルミニウム片やラミネートしたグラスファイバーで作るのですが、エンジンやホイールといった自作出来ないパーツは、タミヤのモデルから部品を調達していました」
「そうやって知識を増やしていったのです。昔から言われているように、何かの専門家になるには最低でも500時間は費やす必要がありますが、自分でも意識しないままそれを実践していたのです」
番外編2:タミヤ製R/Cモデルのアイコンたち
ワーゲンオフローダー
タミヤが初めて実車の1/10サイズで送り出したR/Cカーだ。
独創的なだけでなく、技術的にも目を見張るものがあり、スイングアーム式サスペンションはオリジナルのフォルクスワーゲン・バグを見事に再現していた。
ランチボックス
奇妙な姿をしたランチボックスが登場した1987年当時、バンは英国ではほとんど知られていなかったが、このモデルがその状況を変えている。
このR/Cカーには、コンスタントにボリューム調整可能なCVAと呼ばれるダンパーが採用されていた。
アバンテ
これはよりシリアスなモデルだ。
決してビギナー向けとは言えないアバンテは、強固なアルミニウムとグラスファイバーで構成されたレース用モデルとして開発されている。
サスペンションはトーとキャンバー角の調整が可能であり、オイルが充填された調整式ショックアブソーバーを採用していた。
ホーネット
1/10サイズのホーネットはタミヤ史上もっとも成功したR/Cカーの1台だ。
1984年に最初に登場すると、2駆のオフロードバギー市場をけん引している。