【501psのPHEV版も】リンカーン・アビエイター・ブラックレーベルに試乗

公開 : 2019.12.17 09:50  更新 : 2019.12.20 10:10

フォード・エクスプローラーの高級バージョンとなる、リンカーン・アビエイター。北米市場でBMW X5などと戦いを繰り広げる大型SUVです。日本導入はなさそうですが、501psのPHEV版もラインナップされる新モデルを北米で評価しました。

2005年以来のアビエイター復活

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
フォードの高級ブランドから送り出されたSUVには、どこかリラックスした雰囲気が漂っていた。リンカーンのSUVとして、2005年以来の「アビエイター」という名前が復活。フォード・エクスプローラーの高級バージョンという位置づけになる。

内面的には多くの共通点を持つものの、アビエイターにはエクスプローラーとはかなり異なるボディデザインが与えられている。価格は欧州や日本の自動車ブランドによるライバルへ、照準が合わせられている。

リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル
リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル

ボディサイズは、同じリンカーンのナビゲーターよりは一回り小さいとはいえ、アビエイターは大きい。全長は5mより長く、全幅も2mを超え、3列シートが標準装備だ。

すべてのグレードに3.0L V6ツインターボ・ガソリンエンジン「エコブースト」が縦置きで搭載され、最高出力は405ps。トランスミッションは10速ATが採用される。

駆動方式は後輪駆動が標準。今回試乗する上級志向のブラックレーベルの場合、4輪駆動となっている。トップグレードとしてプラグイン・ハイブリッドモデルが位置し、システム総合での最高出力は501psに達する。ただし、車重は2573kgとかなり重い。

このブラックレーベルを含め、通常のツインターボ・ガソリンの4輪駆動モデルの車重は2218kgと、まだ穏やかな方ではある。早速、走り出してみよう。

先代レンジローバー風の落ち着いた雰囲気

新しいリンカーン・アビエイターには、どこか先代のレンジローバーのような落ち着きがある。走行性能自体は充分に高い。高級ハイパフォーマンスSUVの場合、スポーツカー並の加速力を持つモデルが一般的になりつつあるが、アビエイターの場合は快適性を優先させている。

3.0L V6ツインターボは低回転域から力強く、クルージング時はほとんどエンジンノイズを聞かせることもない。反面、その気になればかなり積極的に吹け上がり、V6エンジンらしい心地よいサウンドを響かせてくれる。

リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル
リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル

10速ATはフォード製の大型モデルに搭載されているものと共通で、ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発されたトランスミッション。穏やかに走らせている限り非常に上質で、ほとんど気づかないうちに変速は終了している。

力強い加速を求めた時には、10段もあるギアのどれを使おうか悩む場面があり、明確に変速の待ち時間が生じる。ステアリングホイールの後ろにシフトパドルが付いているから、ドライバーが変速を促すことも可能。シフトノブは一般的なものではなく、ダッシュボード上に配されたボタンタイプとなる。

エントリーグレードのサスペンションは、通常のスチール製スプリングに固定式ダンパーの組み合わせ。4輪駆動の場合、アクテイブ・ダンパーにアップグレードされる。

試乗車にはダイナミック・ハンドリングパッケージが装備されていた。車高調整可能なエアサスペンションと、カメラでスキャニングした路面情報に基づいてダンパーの減衰力を変化させる機能が付く。

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