【オーリンズ製ダンパーの本気】ボルボV60 ポールスター・エンジニアード試乗

公開 : 2019.12.20 09:50

高性能ブランドとしてのシャシーとダンパー

確かにポールスター・エンジニアードは、魅力的だし速く、価格も高い。しかしこの領域で本当に戦うには物足りない。モーターが加勢するとはいえ、エンジンは4気筒だ。ライバルには6気筒エンジンが搭載されているし、車重は軽い方が有利でもある。

それにかわる強みとして、究極のシャシーとダンパーが与えられたのだと思う。英国の郊外のカーブが続く道を100km/h+程度で走るなら、実用性と走行性能で、V60のポールスター・エンジニアードほど洗練されたクルマはないと思えるほど。

ボルボV60 T8ツインエンジン・ポールスター・エンジニアード
ボルボV60 T8ツインエンジン・ポールスター・エンジニアード

トラクションを高め、姿勢制御を向上させ、ステアリング精度もスロットルレスポンスも大きく改善した。ただし本質的な機敏さは、通常のボルボと共通する柔らかさが残る。サスペンションはバッテリーの重さも受け持ち、ライバルと比較すると、シンプルなエキサイティングさという点で及ばない。

環境意識が低いと思われるかもしれないが、筆者としてはハイブリッドではないボルボV60 T5に、オーリンズ・ダンパーを装備させたいと考えてしまう。二酸化炭素排出量は多くても、よりドライバーの満足感の高い、特別なモデルに仕上がるのではないだろうか。

ボルボV60 T8ツインエンジン・ポールスター・エンジニアードのスペック

価格:5万7205ポンド(800万円)
全長:4761mm
全幅:1850mm
全高:1433mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:40.0−58.7km/L(WLTP)
CO2排出量:48g/km
乾燥重量:2079kg
パワートレイン:直列4気筒1969ccターボチャージャー+スーパーチャージャー/モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:318ps/6000rpm(エンジン)+87ps(モーター)/410ps(システム総合)
最大トルク:43.7kg-m/4500rpm(エンジン)
ギアボックス:8速オートマティック

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