【変化球で剛速球のホットハッチ】ルノー・メガーヌR.S. 中古購入、注意すべきポイント

公開 : 2020.01.03 08:50  更新 : 2021.03.05 21:34

ルノー・メガーヌR.S. 250は、ホットハッチのレジェンドと呼べる1台。予算に応じて、幅広いバリエーションが存在するのも魅力です。日本でもマニア受けするモデルとして人気の、中古のメガーヌR.S.を手に入れる際のポイントとは。

メガーヌRSの世界観を築き上げた立役者

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
もしホットハッチが欲しいと思っていて、7000ポンド(98万円)の予算があるなら、どのモデルを選ぶだろうか。フォルクスワーゲン・ゴルフGTI? 筆者は強く、3代目ルノー・メガーヌR.S. 250をオススメしたい。

英国で調べたところ、2010年モデルで10万7800kmの走行距離のクルマを見つけた。個人売買だが、整備記録も完璧に揃い、走行距離に応じて細かな履歴が残っている。

ルノー・メガーヌR.S. 250(3代目)
ルノー・メガーヌR.S. 250(3代目)

去年の11月にはタイミングベルトとウォーターポンプの交換がされており、こちらも推奨期間内。これまで5人のオーナーを転々としてきているが、出品者によれば、いずれのオーナーもとても大切に乗っていたという。

3代目メガーヌをベースにしたメガーヌR.S. 250が英国に上陸したのは2010年。2015年になるとフラッグシップとして275トロフィーRが登場した。この2つのモデルが、メガーヌR.S.の魅惑的な世界観を築き上げた立役者でもある。

メガーヌR.S. 250に搭載されていたのは、2.0L4気筒ターボエンジンで最高出力は250ps。若干安価で装備を絞ったカップ仕様も選べた。より車高は低く、軽量で引き締まり、LSDが標準装備だった。カップシャシーを備えたスポーツバージョンも存在する。

いずれも非常に完成度は高く、中古車になってもシッカリ感は今も変わらない。本気の熱気を漂わせている。

極めつけは275トロフィーR

2011年になると264psへとパワーアップした、メガーヌ265トロフィーが登場。250カップがベースだが価格は3800ポンド(53万円)増し。英国への導入台数はわずか50台で、当然ながらプレミアムも付いている。

地平線の彼方へ姿を消すような熱い走りは、特製のブリヂストン・ポテンザ・タイヤが支えていた。ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのFFモデルのラップタイムを記録した際も、このタイヤが装着されていた。

ルノー・メガーヌR.S. 250(3代目)
ルノー・メガーヌR.S. 250(3代目)

2012年には年度による小変更を受けている。見た目でわかりやすいのは、LEDデイライトが追加されたこと。しかし重要な点は従来の250ps版ではなく、限定モデルのRS 265のエンジンが標準装備となったことにある。シャシーはカップとスポーツの両方が用意されている。

エンジンは置き換わっても、標準モードのままだと最高出力は250psであることに注意。264psを引き出すには、ESPボタンを押す必要がある。長く押すと、スタビリティコントロールがオフになる。試乗で、すべてが機能するか確認しておきたいポイントだ。

ルノーはメガーヌへの改良の手は休めなかった。セアトレオンクプラ280の登場に対抗するべく、2014年にはフラッグシップ仕様としてメガーヌ 275トロフィーが追加となる。

最高出力は274psで、カップシャシーが標準。美声を響かせるアクラポビッチ製のマフラーも備わり、最高のメガーヌかと思われた。ところが更に軽量でオーリンズ製サスペンションを装備した、限定モデルの275トロフィーRが極めつけとして登場する。

グレードはかなり細分化されているが、中古車価格3万ポンド(420万円)の275トロフィーRであっても、7000ポンド(98万円)の250スポーツであっても、メガーヌR.S.は素晴らしい。当時最高のホットハッチを手に入れて欲しい。

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