【変化球で剛速球のホットハッチ】ルノー・メガーヌR.S. 中古購入、注意すべきポイント
公開 : 2020.01.03 08:50 更新 : 2021.03.05 21:34
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
走行距離にもよるが、タイミングベルトとウォーターポンプは、6年か12万km前に交換しておきたい。ルノーR.S.の場合、エンジンオイルは5W-40の全合成。ロッカーカバーやサンプカバーからのオイル漏れには注意したい。
トランスミッション
PK4トランスミッションはベアリングが痛み、異音が出る場合がある。原因は不明なようだが、修理にはそれなりの費用がいる。10万kmを超えた辺りから、デュアルマス・フライホイールからコツコツという弾くような音が発生する場合がある。これは悪化する一方だ。
サスペンション
ゴム製のトップマウント・ブッシュの割れや、アンチロールバー・リンクの劣化に注意。異音が出ることもある。深刻なのは、ロワー・ボールジョイントの劣化。初めは軽い振動が生じるだけだが、最終的にはきしみ音が出て固着してしまう。こうなると普通には走れない。加速時にはサスペンションのロワアームが外側に引っ張られ、減速時には内側に移動してしまう。
ブレーキとタイヤ
ディスクの摩耗が酷くないか、クルマが真っ直ぐ減速するかを確認する。ステアリングを思いっきり切り、タイヤの片減りがないかも見ておきたい。タイヤのブランド名も一緒にチェックすると良い。
ボディ
フロントガラス下の排水溝が詰まっていないか確認する。リアのホイールアーチには跳ね石の跡がつきやすく、サビを招く原因となる。
インテリア
荷室の床下が濡れていないかを確認。運転席のサイドサポートに破れがないかどうかも見ておきたい。エンジン始動後に、すべての警告灯が消えることも確認事項。
ルノー・メガーヌR.S.の中古車 購入時の注意点
英国では2015年にルノー・スポール系のディーラー網が立ち上げられている。だがディーラー水準の整備金額に抵抗があるのなら、独立系の専門ガレージに見てもらうのも良い。英国にはRSフォー・アッシズやKテック・レーシングなど、何社か存在する
専門家の意見を聞いてみる
フロイド・ホリンズヘッド(RSフォー・アッシズ社)
「R.S. 250に4年ほど乗っていますが、とても気に入っています。エンジンは丈夫ですし、かなりのチューニングも許容します。わたしはKテック社のレーシング・ステージ2というチューニングを与え、355psを獲得しています。費用は4500ポンド(63万円)でした。パワーアップに合わせて、ブレーキやサスペンションもアップグレードが必要ですね」
「弊社ではステージ1のアップグレードとして、パネルフィルターとECUのリマップで304psまで引き出しています。価格は349ポンド(5万円)です。多くのドライバーに満足してもらえると思います」
「アクラポビッチのマフラーとオーリンズのサスペンションが付いた、275トロフィーRが私のお気に入りですが、価格には驚きますよね? どのクルマでも、トランスミッションやフライホイール、サスペンションが正常で、異音がないことを確認しておきたいですね」
掘り出し物を発見
ルノー・メガーヌR.S. 250カップ 登録2010年12月 走行8万2070km 価格8500ポンド(119万円)
珍しいワンオーナー車で、ルノーの正規ディーラーによる整備記録も揃っている。タイミングベルトは6万9000km時に交換済み。赤いブレーキキャリパーにLSDはカップモデルの証。