【RS Q3のオシャレ担当】アウディRS Q3スポーツバック 実力も備えるSUVクーペ

公開 : 2019.12.19 09:50

ハンドリングや乗り心地は期待通り

7速ATは少し優柔不断な性格で、アクセルペダルの操作とうまく息が合わない。都市部での走行は完璧なまでに滑らかなものの、399psをいざ引き出そうとすると、キックダウンするまでに僅かな待ち時間を感じる。

スポーツモードにすればわずかに反応は良くなる。ステアリングホイールに付けられたシフトパドルを弾く方が、筆者の望むタイミングで変速できる。

アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション
アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション

RS Q3スポーツバックのハンドリングは期待通り。クルマとの一体感が薄いものの、常に安心感を保ったまま、出発地点から目的地へ迅速に移動できる。

速度でレシオが変化するプログレッシブ・ステアリングは、フロントタイヤの感触を伝えてくれない。ペースを上げても、リアタイヤは安定しきりで、少しのいたずらも許してくれないようだ。

アダプティブ・ダンパーを最も快適な状態にすれば、滑らかな路面であれば充分にリラックスした乗り心地を楽しめる。ダイナミックモードにすると振動は強くなり、小さな路面変化でも拾ってしまう。

乗り心地の洗練度は、少なくともハイパフォーマンスSUVのクラス水準にはある。ホイールのサイズは快適性を左右するから、試乗車の21インチではなく、20インチのホールも試してみたいところ。

車内でスポーツバックを区別する点といえば、低められたルーフラインでリアウインドウが狭くなっていることくらい。それ以外はRS Q3と同じハイテク感のあるインテリアが広がる。ただし、安っぽいプラスティック製パーツが案外目に付く。ライバルモデルの方が、上手にプラスティックを隠しているように感じる。

スタイリングとパフォーマンスを重視するなら

MMIインフォテインメント・システム用モニターは10.1インチ。メーターパネルには12.2インチのモニターが配される。このバーチャルコックピットには、RS専用の表示を設定。運転に必要最低限の情報へ絞り、ハイペースでの集中力を保つのを助ける。

リアシートには、身長180cmある大人でも背を屈めず座ることができる。荷室容量はリアシートを起こした状態なら、通常のRS Q3と同じ530L。リアシートを折りたたんだ状態では、1525Lに対してスポーツバックは1400Lと、小さくなってしまう。

アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション
アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション

もしスタイリングの良さとパフォーマンスを重要視してSUVを考えているなら、アウディRS Q3スポーツバックは候補に入れるべきだろう。通常のアウディRS Q3より自己主張も強い。思わず振り返るほどの美しさを備えていながら、Q3と比較して諦める部分も殆どない。

ただし、走行性のは価格で上回るライバルに匹敵するものの、リアシートの快適性では一歩及ばない。技術面ではクラス最高の先進性といえるが、素材感ではライバルの方が優れていると思う。

より積極的にSUVで運転を楽しみたいと考えるドライバーは、アウディRS Q3スポーツバック一択とせず、ライバルモデルと良く比較することをオススメする。

アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディションのスペック

価格:5万8145 ポンド(814万円)
全長:4500mm(標準Q3スポーツバック)
全幅:1843mm(標準Q3スポーツバック)
全高:1556mm(標準Q3スポーツバック)
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:9.8km/L
CO2排出量:204g/km
乾燥重量:1700kg
パワートレイン:直列5気筒2480ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:399ps/5850-7000rpm
最大トルク:48.8kg-m/1950-5850rpm
ギアボックス:7速オートマティック

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