【コンパクト・クロスオーバーで最良】プジョー e-2008へ試乗 航続距離310kmのEV
公開 : 2019.12.21 09:50 更新 : 2020.04.23 01:13
純EVとなるプジョー e-2008は、クロスオーバーへ期待する利便性にゼロ・エミッションという未来を加えた存在。コンパクト・クロスオーバーで最良といえる完成度の高さを得ています。フランスで評価しました。
もくじ
ーエンジンモデルと並列でEVをラインナップ
ーGTラインの車内には高級感が漂う
ーバッテリー容量50kWh、航続距離310km
ー基本的にエンジン版と変わらない走り
ーコンパクト・クロスオーバーでベスト
ープジョー e-2008のスペック
エンジンモデルと並列でEVをラインナップ
つい先日も新しいSUVをご紹介したばかりで、プジョー2008の試乗記もお読みいただいたかと思うが、今回は純EVとなるプジョー e-2008。コンパクト・クロスオーバーだが、全長は4300mmとなり、フォルクスワーゲン・ゴルフより長いことは通常の2008と同じ。
基本骨格はプジョー製のCMP(コモン・モジュラー・プラットフォーム)で、コンパクトカー向けに開発されたもの。エンジンとEVとを同じプラットフォームでまかなえる賢い骨格だ。
同じモデルでありながら、エンジンモデルかEVモデルかを選択できる。ネットでの検索としてはエンジン版とEV版とでそれぞれ注目度は高いようで、試乗も別々となった。
今後、検索ワードでパワートレインの区別がなくなる頃には、電動化も一段落ということになるのだろう。同時にEVという単語は、すでに自動車とは切り離せないキーワードでもある。
最高出力135psとなる純EV版の販売台数は、2008全体の10%以上を占めると予測するプジョー。この台数は100psのディーゼル版よりも多い。英国では、フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンの排気ガス不正問題をきっかけに、ディーゼルの不人気は今も続いている。
新世代のディーゼルは燃費も良好だから、試して欲しいと筆者も思う。プジョーのジャン・フィリップ・アンパラトCEOは「誰も耳を貸さないでしょう」 と達観気味だ。
GTラインの車内には高級感が漂う
新しいプジョー2008は、コンパクト・クロスオーバーに属するが、サイズや価格的にはファミリー向けのハッチバックとも競合する。どちらもライバルモデルは少なくなく、特にハッチバックは実力派が揃っているカテゴリーだ。
プジョー2008の英国での価格は約2万ポンド(280万円)から約3万1000ポンド(434万円)。EVモデルのe-2008の場合は、補助金適用後で約2万8000ポンド(392万円)から約3万4000ポンド(476万円)の間に収まる。
メンテナンスの少なさや燃料費なども考えると、使用期間も含めた純EVの総コストは、130psのガソリンモデルと同等となるだろう。
純EV版のe-2008であっても、ガソリンモデルと変わらないトリムグレードが用意されている。今回試乗したのは約3万2000ポンド(448万円)のGTライン。中の上に位置するトリムグレードで、車内には高級感が漂う。
フェイクレザーの内装にはコントラストが映えるステッチが施されているし、控え目に配されたシルバーのプラスティック製パーツは本物の金属のような質感がある。
全長が4.3mもあるから、リアシートには大人は快適に過ごせる空間がある。荷室容量は360Lで、プジョーとしては競争力のある広さだというが、比べるモデルによって感じ方は変わると思う。
GTラインの場合、ダッシュボード中央には大きなタッチモニターが付く。見た目は良いものの、使い勝手はほどほど。少なくともエアコンの温度調整操作は、モニターに内蔵しない方が良い。