【どうなる次期レヴォーグ?!】2020年後半に発売 どんなことを期待できるか?

公開 : 2020.01.02 11:50  更新 : 2021.10.09 23:55

次期型スバル・レヴォーグは2020年後半に発売されます。これまでのレヴォーグを振り返るとともに、SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)やパワートレインに関する期待を桃田健史がコメントします。

スバルお家芸? 尖り過ぎないデザイン

text:Kenji Momota(桃田健史)

スバルが2020年後半発売を明言している、次期レヴォーグ

第46回東京モーターショー(2019年10月24日~11月4日)で公開されたコンセプトモデルを見て「なるほど、まさに正常進化だな」と思った人が多かったはずだ。

スバル・レヴォーグ・プロトタイプ
スバル・レヴォーグ・プロトタイプ

ここでいう正常進化とは、レヴォーグとしての正常進化であり、またスバルのデザインとしての正常進化を指す。

近年のスバルのデザインは「尖り過ぎない」ことを重要視している。

クルマという商品を際立たせるために、最も有効な方法はパッと見た時に強い印象を与えるデザインにすることだ。

こうした尖ったデザインを自動車メーカーが採用するのは、事業全体が苦しい時期から一気に飛躍を目指す、いわゆるV字回復を狙う際に使われることが多い。

事例としては、2000年代前半のゴーン体制になってからの日産や、2010年代中盤のマツダ第6世代が挙げられる。

一方、スバルでは2000年代から2010年代にかけて、現在のスバルデザインの基礎が出来上がったが「尖り過ぎると飽きられてしまうのも早い」(当時のデザイン部門幹部)という想いが強い。

スバルとしては、スバルの真骨頂は走る歓びにある、という自負があり、次期レヴォーグでもデザインと走りの程良いバランス感を狙っている。

メディアのバッシングの中で生まれた初代

では、レヴォーグとしての正常進化という点ではどうか?

次期レヴォーグのコンセプトモデルを見れば、ひと目でレヴォーグだと分かる。

自動車メディア従事者には、根っからのスバルファンが多く、彼らにとって2000年代後半から2010年代にスバルが推進した、事業の北米シフトによる商品への影響を快く思わない人が多かった。
自動車メディア従事者には、根っからのスバルファンが多く、彼らにとって2000年代後半から2010年代にスバルが推進した、事業の北米シフトによる商品への影響を快く思わない人が多かった。

一般的に、前述のようなV字回復、またはレヴォーグのような新規設定車の場合、第1世代は強い印象を与えるホップ、第2世代は第1世代を踏まえた上でしっかりとしたステップ、そして第3世代は次のステージに向かうジャンプ、という3段階で構成されることが多い。

こうした観点で見れば、次期レヴォーグはまさに、デザイン進化のステップ段階にある。

言い換えると、ホップ段階である第1世代デザインが、レヴォーグとしての世界感を創出したことになる。

その初代が登場した2013年、自動車専門雑誌や有名自動車ジャーナリストの多くが、当時の新型レガシィに対して「こんなデカいクルマはもう、レガシィと名乗る資格はない」といったかなり厳しい口調で記事を書いていた。

自動車メディア従事者には、根っからのスバルファンが多く、彼らにとって2000年代後半から2010年代にスバルが推進した、事業の北米シフトによる商品への影響を快く思わない人が多かったのだ。

だが、自動車メディアの心配をよそに、当時の新型レガシィは順調な販売実績を積んだ。

とはいえ、スバルとしても一気に進めた北米シフトに対して、日本市場への対応を熟慮していた。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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