【自然吸気V10エンジンの美魔女】BMW M6 中古購入、注意すべきポイント 維持費は後回し?
公開 : 2020.01.04 08:50
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
バルブ周りからの異音がないか確認する。ターミナルクランクが故障する前に、エンジンの警告灯で教えてくれる場合もある。コンロッド・ベアリングなどの不具合を防ぐためにも、定期的なオイル交換の履歴も確認したい。
スロットルボディとアクチュエーターも確認する。調子の良いエンジンでも、1600km毎に1Lくらいのエンジンオイルは消費する。
トランスミッション
優しく乗られていたクルマでも、クラッチは8万km程度で駄目になる。傷んでいる場合は赤い歯車の警告灯がダッシュボードに表示される。変速フィールは街中では優れないが、スピードが増すにつれて滑らかになってくる。
調子の良いSMGなら発進時はスムーズで、リバースに入れてもシフトショックは生じない。振動、ジャダーリングが出る場合、クラッチリリース・ベアリングとガイドブッシュの修理が必要。比較的安価で済むはず。
2006年に登場したSMG3は、それ以前のものと比べて信頼性は良い。リアデフからの異音や振動は通常ならない。フルード漏れも確認したい。
サスペンションとステアリング、ブレーキ
ステアリングホイールを切った時に振動が出るのは、コントロールアームが傷んでいる証拠。電子制御ダンパーの交換は高価。ダンパーは1本600ポンド(8万円)はする。
ブレーキパッドやディスクの摩耗にも注意。サイズオーバーのアルミホイールは、フェンダーを擦る場合がある。タイヤはプレミアムブランドのものが理想的。
ボディとインテリア
ヘッドライト内に水が溜まっていないか確認する。屋根からの排水口が塞がると、車内が濡れてしまう。激しい運転を繰り返すと、iコントローラーがフリーズする場合がある。
BMW M6の中古車 購入時の注意点
警告灯が点灯したら、軽視せずに確認しておく。エンジンやブレーキ、タイヤの空気圧センサー、エアバック、スタビリティコントロールなどに関連する不具合を教えてくれる。修理が重なると、恐ろしい金額が必要になることも。
専門家の意見を聞いてみる
ジャック・デイ(Mパワー・カーズ社)
「数多くのMシリーズのクルマを売買していますが、M6は最近目にしていません。いつショールームにあったかも記憶にないですね。多くの人を悩ませるのが、信頼性の低いSMGトランスミッションです。現代のツインクラッチ・オートマティックとは異なります」
「当時のBMW固有のもので、不具合が起きると修理にはかなりの費用が必要です。保証をつけるとしても、大きな金額が必要となるでしょう。機構が複雑という理由で、コンバーチブルにも気をつけたいところです」
「クーペのM6はサルーンのM5より速く、実用性で多少劣っていてもスタイリングは魅力的、という良い面もあります。強力な自然吸気エンジンは今では希少で、需要も高まってきています」
掘り出し物を発見
BMW M6 登録2007年 走行8万2070km 価格1万6495ポンド(230万円)
個人売買によるもので、強気な価格は交渉も可能。フェイスリフト後のモデルで、BMWディーラーによる整備記録と、延長保証も付いている。交換済みの新しいクラッチとフライホイールは、安心材料となる。