【新画像】フェラーリ・ローマ 新型V8クーペ、エアロダイナミクス/美しさの調和とは

公開 : 2019.12.20 16:11

「フェラーリ・ローマ」の新画像が届きました。今回は、リア・スクリーンと一体化して見える「電動式スポイラー」に注目してみましょう。

一体化した「可動式スポイラー」

イタリアの超高級スポーツカーメーカー、フェラーリが発表した新型2+クーペ「ローマ」。美しいそのスタイリングには、最高の空力パフォーマンスを実現するレシピが隠されていた。

その最たるものが、リア・スクリーンと一体化した可動式リア・スポイラーである。優美な外観を損なうことなく格納され、高速走行時には自動で作動してダウンフォースを高める役割を果たす。

フェラーリ・ローマ
フェラーリ・ローマ

跳ね馬の2+2クーペモデル「ポルトフィーノ」と比べて、250km/h走行時に発生するダウンフォースは95kgも高いという。これには、リアのアクティブ・エアロダイナミクスが大きく貢献している。

LD、MD、HDの3ポジション

電動式のリア・スポイラーはロー・ドラッグ(LD)、ミディアム・ダウンフォース(MD)、ハイ・ダウンフォース(HD)の3種類のポジションに展開される仕組みだ。

「LD」モードでは、可動エレメントが、リア・スクリーンとひと続きの平面となり、気流には影響を及ぼさない。

フェラーリ・ローマ
フェラーリ・ローマ

スポイラーの高さを最も確保できる「HD」では、リア・スクリーンに対して135°の角度となり、多くのダウンフォースを発生。しかしながらドラッグの増加については、わずか4%に留めている。

「MD」は、最大ダウンフォースの約30%を発生するもので、ドラッグの増加を1%未満に抑えたバランスに優れたモード。

それぞれについて詳しく見ていこう。

300km/h超えは、MDに

フェラーリは、ローマの車速が100km/hに達するまでは、「ロー・ドラッグ(LD)」を維持すると説明している。

一連のモード選択は、車速に加え、前後左右の加速度に応じてモーターが作動する仕組みとなっており、低速走行時はダウンフォースの影響がわずかなために、スポイラーは自動的に「LD」ポジションに戻るのだ。

フェラーリ・ローマ
フェラーリ・ローマ

一方で、超高速域となる300km/h超えの領域では、スポイラーは「ミディアム・ダウンフォース(MD)」モードに。高い車両バランスが求められる速度域では、ドラッグの影響を最低限に抑えることが重要なのである。

つまり、ダウンフォースがパフォーマンスの中心的な役割を果たす高速域では、車両の前後左右の加速度に応じて、「MD」ポジションを取るように制御されるのだ。

とりわけハンドリング/ブレーキングに高いレベルが求められる状況で選択されるのが、「ハイ・ダウンフォース(HD)」のポジション。最大のダウンフォースを発生して、車両を空力的にバランスが取れた状態に維持される。

興味深いのは、スポイラーの位置調整は、手動選択ができないこと。これは、フェラーリのドライブ・モード「マネッティーノ」の5つのポジションとリンクして決定されるためだ。

ダウンフォースの発生は、ビークル・ダイナミクス・コントロールと調和させ一体化させるべきだという考えに基づくもの。

ローマが搭載する3855cc V8ターボは、620psを発揮し、その最高速度は320km/hを超える。高貴でタイムレスなデザインと、マラネッロの最新技術の融合。フェラーリのミド・フロント・エンジンGTは、比類なき技術で、セグメントの頂点を目指すモデルとなっている。

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