【GRシリーズ 試乗】トヨタC-HR GRスポーツ 1.2ターボ(6MT)/ハイブリッドを評価
公開 : 2020.01.02 09:35 更新 : 2021.03.05 18:45
トヨタC-HRの「GRスポーツ」を試乗。1.2ターボ+6MT車、ハイブリッド車を試します。人気SUVのGRチューンは「買い」なのでしょうか?
C-HR マイナーチェンジ
トヨタC-HRは、SUVとは思えないくらい極端なクーペ風ボディと、SUVとは思えないくらいステアリングを切るのが楽しいハンドリングで、僕達を驚かせてくれた。
開発段階にある試作車を、ほぼ市販想定に近い状態のままニュルブルクリンク24時間レースで走らせてテストしたSUVなんて、それまで聞いたことがなかった。高価格帯のスーパーSUVならいざ知らず、普通の人が普通に買うことができるコンパクトSUVとして、見た目にしても走りにしても、ここまでスポーティなテイストを持たされたモデルはそうそうないだろう。
2016年の年末に発売されて、翌2017年と続く2018年の国内SUV新車販売台数のトップをマークしたのは、もちろんそこを支持する人が多かったことの証。広大なラゲッジスペースよりも、5人フル乗車時の居住性よりも、見た目のカッコよさや走らせる楽しさを重視した人が多かった、というわけだ。これはクルマ関連の仕事に就いてる僕達にとっても大きな励みになる。クルマ好きは死んでない、ということなのだから。
そして2019年の10月、C-HRに初めてのマイナーチェンジが加えられたのだが、トヨタはその辺りをどんなふうに考えて手を加えてきたのだろう?
GRスポーツとは
新型を前にして最初に感じたのは、いったいどこが変わったんだ? ということだった。よく見ればフロントのクチが広がってたりもするけど、正直に白状するなら先代との区別がつかなかったぐらいだ。
が、この時代にしては喜ばしいことに、1.2Lターボでは新たに6速MTが選べるようになった。それに、これこそがハイライトなのかも知れないが、新たにトヨタ・ガズー・レーシングが手掛ける“GRスポーツ”がラインナップされている。パワートレインには手を加えず、主としてシャシーや空力パーツなどでスポーツ性を高めたシリーズだ。
“GR顔”とでもいうべきアグレッシブなデザインが与えられたフロントまわりやスポーツ性を高めた室内の機能パーツなど変更点は多々あるが、やっぱり注目すべきはシャシーまわりだろう。
フロアの下側にトンネルブレースを追加して車体の剛性の見直しを計ったほか、スプリング、ダンパー、スタビライザーに専用のチューニングを施し、パワーステアリングのセッティングも変更。タイヤとホイールも19インチへとサイズを上げている。
つまり見た目よりもスポーツ性を念頭に置いたマイナーチェンジ、と見ることができそうだ。初志貫徹。いいじゃないか。